研究分担者 |
鹿熊 信一郎 (財)亜熱帯総合研究所, 研究部, 研究主幹
中谷 誠治 (財)亜熱帯総合研究所, 研究部, 主任研究員
茅根 創 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (60192548)
宮澤 泰正 (独)海洋研究開発機構, 地球環境フロンティア研究センター, 研究員 (90399577)
波利井 佐紀 東京大学, 大学院・情報理工学研究科, 助手 (30334535)
秋道 智彌 東京工業大学, 総合地球環境学研究所, 教授 (60113429)
|
配分額 *注記 |
46,020千円 (直接経費: 35,400千円、間接経費: 10,620千円)
2005年度: 10,270千円 (直接経費: 7,900千円、間接経費: 2,370千円)
2004年度: 16,250千円 (直接経費: 12,500千円、間接経費: 3,750千円)
2003年度: 19,500千円 (直接経費: 15,000千円、間接経費: 4,500千円)
|
研究概要 |
1)新たな人工衛星リモートセンシング画像解析法に基づいて統合沿岸環境モニタリングシステムを一般化・汎用化するとともに,フィリピン,フィジー,サモア,沖縄における沿岸環境モニタリングを行った.そして,画像データのそろっている沖縄・石西礁湖及びその周辺陸域を対象とした過去約20年間の衛星画像(LANDSAT-TM)の解析を通して,石西礁湖内のサンゴ礁生態環境(特に海底被覆状態)の変遷と,それに対応した周辺陸域における土地利用や植生被覆状態の変遷を明らかにした.さらに,この陸域情報に基づいて,各流域からの赤土流入負荷の変遷を定量的に評価し,その結果を上記の沿岸生態環境の変遷に関する解析結果を照らし合わせることにより,周辺流域圏の土地利用形態等のあり方から見た沿岸-陸域統合型の資源管理策について検討した.2)流域からの環境負荷の定量的評価に基づいた陸域-沿岸統合型資源管理フレームの展開のために,フィジー,サモア,フィリピンにおいて,赤土流入量負荷や沿岸水質の長期モニタリング体制を構築し,従来にない長期連続データを得た.3)観光開発による生活雑排水流入などによって水質悪化と沿岸生態系劣化が著しいフィリピン・ミンドロ島北端に位置するプエルトガレラ沿岸域を対象として,同水域における物理・水質・生物環境調査や地元コミュニティーについての社会的調査を地元自治体,NGO,フィリピン大学等との共同で実施し,関連する数値シミュレーション等も併せて行うことにより,同水域における物理・水質・生物環境の特徴や水質劣化構造の実態を明らかにするとともに,「人間-沿岸生態」共存系の観点から,有効かつ持続的な環境保全策の立案にむけての検討を行った.4)サンゴ食害生物であるオニヒトデを対象として,有効な遺伝子マーカーを開発することによって集団遺伝学的な解析を行うとともに,広域的な海水流動・幼生輸送計算モデルによって幼生の広域輸送パターンを解析することによって,広域的な沿岸生態系の相互依存ネットワークの内容を調べた.この成果は重点的海洋保護区の設定に関して合理的・科学的な根拠を与えるための基礎情報となる.
|