研究分担者 |
戸田 正憲 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (40113592)
屋富祖 昌子 琉球大学, 農学部, 助教授 (50045134)
渡部 英昭 北海道教育大学, 札幌校・教育学部, 教授 (10167190)
高森 久樹 東京学芸大学, 教育学部, 助手 (40188090)
木村 正人 北海道大学, 地球環境科学研究科, 教授 (30091440)
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配分額 *注記 |
32,110千円 (直接経費: 24,700千円、間接経費: 7,410千円)
2005年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
2004年度: 13,000千円 (直接経費: 10,000千円、間接経費: 3,000千円)
2003年度: 11,700千円 (直接経費: 9,000千円、間接経費: 2,700千円)
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研究概要 |
ショウジョウバエ類は生物学的情報の豊富さから,多くの生物群が共通に持つ生物多様性成立機構を解明するための最も優れた研究材料のひとつといえよう.代表者らは,H12-14年度科学研究費補助金基盤A(1)によって,中国南部地域のショウジョウバエ多様性解明に重点を置いた調査を行った.これによって多くの既知種と,それに倍する新種,疑問種の生息が確認され,中国南部がショウジョウバエ多様性の高い地域であることの確信が得られた.H15-17年度の本課題では,調査対象地域を拡大し,東アジア地域多様性の全容解明を期することにした.研究期間中に中国,インドネシア,ベトナム,マレーシアに計21回,延べ参加人数36人,延べ調査日数568日の調査研究を実施し,既知種の分布を確認するとともに,多くの未記載種の標本を得た.これらの地域は,アジア熱帯と温帯をつなぐ回廊としての生物地理学的役割を果たしていることが推論されるが,調査で得られた多くの未記載種標本についての今後の解析は,この推論を発展させる重要な手がかりとなるものと期待される.ショウジョウバエ進化を多面的に検討するために,タロイモショウジョウバエ属については植物との総利共生についての研究を行った.その結果,本属の新種,新分布および新寄主が発見できたなど,今後の研究基盤が確立されつつある.また,種分化初期過程における遺伝的分化と生殖的隔離発達の関連性等についての詳細な検討を,D.montium亜群のodysseus遺伝子についての分子系統学的研究によって実施し,本遺伝子の種分化において果たしている重要な役割を認識することができた.さらに,本調査によって得られた各種の系統,標本を用いて,ADH遺伝子,mtDNAを対象に,種分化に伴うDNAレベルでの遺伝的構造の変化を探る研究も実施した.
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