配分額 *注記 |
22,880千円 (直接経費: 17,600千円、間接経費: 5,280千円)
2005年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2004年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
2003年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
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研究概要 |
世界を代表する古代文明の一つである黄河文明を担った人々とはどのような人たちであったのかを明らかにするべく,中国・河南省安陽・商代遺跡(殷墟)ならびに周辺遺跡の調査を進め,出土した古人骨試料のDNA分析をおこなった。中国科学院・遺伝発生生物学研究所ならびに中国社会科学院・考古研究所に所属する中国側共同研究者(研究協力者)と共に,中国社会科学院・考古研究所・安陽工作所を拠点として,商代晩期(殷墟)を中心に古人骨試料の収集をおこなった。収集した古人骨は,中国科学院・遺伝発生生物学研究所にてDNA分析のための前処理としての古人骨試料のクリーニング作業をおこなった後,順次,DNAを抽出した。抽出・精製したDNAをテンプレートとして,高度の遺伝的多様性を有し,世界中の多くの現代人類集団およびいくつかの古代人類集団に関する塩基配列データが既に得られているために本研究の目的に最も適したミトコンドリアのDループ領域に関しPCR法にてDNA増幅を試みた。増幅に成功した古人骨個体について,直接決定法により塩基配列を解読した。古代中国を代表する遺跡の一つである殷墟に住んでいた人々の遺伝的特性を明らかにするために,得られた塩基配列情報量の増大を進めると共に、数理的分析を現在進めている最中である。また,遺跡より出土した炭化米のDNA分析もおこなった。これまでに収集・分析した炭化植物試料は,約5000年〜8000年前の中国・河南省ならびに江蘇省の遺跡から出土した炭化米である。さらに,殷墟における出土古人骨試料の収集中に頭部に青銅器の破片が刺さり,腸骨,四肢の長骨に多数の傷を受けた古人骨を発見、法医人類学的分析により死亡状況の推定ならびに凶器の同定をおこなった。
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