研究課題/領域番号 |
15255018
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
農業経済学
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研究機関 | 福井県立大学 |
研究代表者 |
杉村 和彦 福井県立大学, 学術教養センター, 教授 (40211982)
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研究分担者 |
嶋田 義仁 名古屋大学, 文学研究科, 教授 (20170954)
末原 達郎 京都大学, 農学研究科, 教授 (00179102)
池上 甲一 近畿大学, 農学部, 教授 (90176082)
池谷 和信 国立民族学博物館, 教授 (10211723)
鶴田 格 近畿大学, 農学部, 助教授 (60340767)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
39,390千円 (直接経費: 30,300千円、間接経費: 9,090千円)
2006年度: 9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
2005年度: 10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
2004年度: 10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
2003年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
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キーワード | 赤道アフリカ / モラル・エコノミー / 情の経済 / 制度 / 慣習 / 比較研究 / 再生産 / インフォーマル / 分与の経済 / 内発的発展 / 農牧民 / 生存維持性 / 互酬性 / 一般的互酬性 / 価値意識 / オルタナティブ・トレード / 組織原理 / ハビトゥス / 地域通貨 |
研究概要 |
第4年間の主要な研究成果は以下の4点に要約することができる。 1.これまでの4年間の成果のとりまとめの場として、日本の福井県で海外共同研究者のハイデン、デボラ、ルタトーラ教授を招き、日本側、タンザニア研究費者総勢50名で、アフリカ・モラル・エコノミーを地域比較の視点から検討する国際シンポジウムを行い、特にアフリカ、東南アジア、日本のモラル・エコノミーの特質についての地域間比較を軸に検討し、今後の研究方向について、学際的な視点から再検討を行った。 2.その具体的成果として、<物的生産>よりも、<消費や再生産>に関心を有するという、アフリカ農民のモラル・エコノミーのアフリカ的特質が明らかとなる。消費様式においては、従前指摘されてきた"分与の経済"などの諸特徴を見い出すことができ、アフリカ農村に見られる一般的互酬性的特質は、アジアの農民社会の均衡的互酬性を基調とした行動様式とは著しく異なる側面がある。またアフリカ農民のこの行動特性は、狩猟・採集民社会、牧畜民社会との間に連続性を有する現象であることが、アフリカ内部の生業間比較の中で明らかになった。 3.またアフリカ農民のモラル・エコノミーを支えるものとして農・牧民としての生業複台の広範なひろがりが確認されるとともに、その中での婚資なとに利用される社会的富としての「牧」の重要性が指摘され、<再生産>を基調としたモラル・エコノミーの組織原理が明らかにされた。 4.これまで開発論とモラル・エコノミーに関する議論の中では、その前近代的性格や近代化を阻むものとしての側面だけに注目するという傾向が見られたが、今日の持続的発展や内発的発展というような新たな視点に支えられた開発現場でのフィールド研究を踏まえて、従来の視点を超えて、現地社会のモラリティと開発の連動の可能性が明らかになった。
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