配分額 *注記 |
16,200千円 (直接経費: 16,200千円)
2006年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2005年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2004年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
2003年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
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研究概要 |
本研究の目的は、最近の計算機環境の下で固定パラメータ問題を高速に解決するための方法論を確立することである。そのために、単なるプログラムテクニックとして解析に反映されなかった側面を数学的に厳密に評価し、従来の解析方法とは全く異なる立場から計算の効率評価を行うことであった。 今年度は、トライセクター曲線に関する研究に時間を割いた.平面上に与えられた2点に対する2等分線は容易に計算できるが,2点間に等距離の曲線を描くのは困難である.正確には,任意の精度で近似解を得ることはできるが,正確に曲線上の点を求めることは不可能(代数的でない)であることが予想される.本研究では,そのような曲線が常に存在し,ユニークに定まることを数学的にかつ構成的に証明した.それ以外にも様々な興味深い構造的な性質を明らかにした.この研究の成果は,5月に開かれた理論計算機科学では最高峰の国際会議であるSTOCにおいて発表すると共に,Advances in Mathematicsという数学ではトップクラスのジャーナルにも論文を発表した.非常に基本的な問題でありながら,これまでに全く類似の研究がなかったということはむしろ驚きである. 計算幾何学においてボロノイ図は重要な研究課題のひとつである.本研究では,従来のボロノイ図の概念を一般化して,三角形に関する評価尺度に基づいた様々なボロノイ図を定義したが,特に角度ボロノイ図に興味をもち,その構造と複雑さに関する研究を行った.具体的には,線分の集合が与えられたとき,どの線分に対して定義される視角が最も小さいかという関係で平面を分割したものである.この研究では,角度ボロノイ図が通常のボロノイ図と極めて異なる性質をもつことを証明し,さらに最小の視角を最大にする点を効率よく求めるためのアルゴリズムを示している.この結果にっいては,7月に開かれたボロノイ図に関する国際ワークショップにおいて報告した.現在は,そのジャーナルバージョンを執筆中であり,近い将来にジャーナル誌に投稿をする予定である.
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