配分額 *注記 |
16,200千円 (直接経費: 16,200千円)
2006年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2005年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2004年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2003年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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研究概要 |
本研究では,仮想空間システムを構成するデータをサーバからクライアントへ効率的に配信するための基盤技術に関する研究を推進した.まず,三人称視点による表示やバードビューにより、アバタの周囲の空間だけでなく広範囲の空間を観察できる環境を想定し,仮想空間をあらかじめ複数の部分空間に分割して,部分空間ごとのデータをひとつにまとめてデータアイテムを作成し,放送するためのスケジューリング方式およびユーザの行動特性を考慮したデータのキャッシング方式を考案した.これらの考案方式を詳細なシミュレーション実験によって性能評価し,その有効性を確認した.さらにアバタの密度と空間の連続性を考慮したデータのスケジューリング方式を考案し,隣接する部分空間のデータの更新時間を可能な限り統一し,隣接する部分空間同士での不整合を低減することに成功した. 次に,ウォークスルーなどの一人称視点のアプリケーションにおいて仮想空間を利用することを想定し,アバタの視野範囲に含まれる空間に存在するオブジェクトの放送スケジュール方式について検討した.考案方式では,空間内に存在するユーザ群の視野と,ユーザとオブジェクトの距離に着目して,放送するオブジェクトを決定する.また,注目されるオブジェクトにも,高速で移動するオブジェクトと低速で移動するオブジェクトで要求される更新頻度が異なるため,上述のユーザ群の視野およびユーザ・オブジェクト間距離に加えて要求更新頻度を考慮して、最終的に放送すべきオブジェクトを決定する。考案方式の有効性を検証するため,シミュレーション実験を行った.その結果,仮想空間内で多くのユーザが注目しているオブジェクトと,クライアントで大きく表示されると考えられる,ユーザの近くに存在するオブジェクトの更新データが頻繁に放送され,システム全体としてのパフォーマンスが向上することを確認した.
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