配分額 *注記 |
16,100千円 (直接経費: 16,100千円)
2005年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
2003年度: 7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
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研究概要 |
ユーザフレンドリな音声対話システムの実現を目指し,人間による対話事例を活用する新たな対話処理方式の開発を目的に研究を実施した。本方式は,発話理解や発話生成,対話計画など,対話の遂行に必要な処理のほとんどを実データ駆動で実行する。実対話事例をデータとして使用することにより,類似した事例の活用によるロバストな対話理解,人間の発声に近い自然な言い回しでの音声出力,事例の追加による対話システムの拡張,が可能であるという利点を備えている。本研究を推進したことにより以下に記す成果を得ることができた。 (1)対話事例データベースの構築と利用:対話システムが直接的に利用可能なデータとして大規模事例データベースを構築した。対象データとして,名古屋大学CIAIR車内音声対話コーパスを使用した。コーパスに含まれる発話データに形態素分析データ,構文分析データ,意図分析データ等の言語タグを付与した。 (2)ロバストな発話理解手法の開発:情報検索をタスクドメインとするユーザ発話の理解手法を開発した。これは,音声対話コーパスの中から,入力された発話文に最も類似した文を選び,その文に付与された意図を入力発話文の意図とするというアイデアに基づいている。実際に,発話文と発話文の間の類似性を測定する方法を,形態素,構文,キーワード,文末形式,文脈などの情報を統合的に活用した類似度計算方式として考案した。 (3)音声対話システムの実装:事例ベース方式に基づく対話処理方式を設計し,走行車内での飲食店案内システムとして実装した.全体のシステムを,対話理解,対話制御,対話生成,及び,対話事例データベースから構成している。被験者実験により,本研究で提案する音声対話処理手法の有効性と実現可能性が明らかになった。
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