研究分担者 |
清水 義雄 信州大学, 繊維学部, 教授 (20150675)
鳥羽 栄治 信州大学, 繊維学部, 教授 (60010956)
松本 陽一 信州大学, 繊維学部, 教授 (50021176)
石澤 広明 信州大学, 繊維学部, 助教授 (90345760)
金井 博幸 信州大学, 繊維学部, 助手 (60362109)
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配分額 *注記 |
16,100千円 (直接経費: 16,100千円)
2005年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2004年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
2003年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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研究概要 |
本研究では,自動車シートの「座り心地」をシートの構成要素である表皮布やパッドの物理特性,座面角より定量化し予測する手法を提案し,その有効性について検討した.被験者は20代男性,50代男性それぞれ20名,官能検査方法は一対比較法(中屋の変法)を用いた.その結果,次のことが明らかになった. (1)シートの座面角が8°のときに最も「高級感がある」と,座面角が15°のときに最も「スポーティー感がある」と評価された. (2)高反発な座部パッドを用いた座部シートほど「軟らかい」,「臀部や大腿部が沈み込む」,「ふわふわした」,「高級な」と評価された.表皮布にトリコットを貼り付けた座部シートは,ジャージを貼り付けた座部シートよりも「前後・左右に滑りにくい」と評価された.この結果は,トリコットの摩擦係数がジャージの摩擦係数よりも大きいことと一致している. (3)官能検査結果より,「手触り感」に関連するイメージ形容語13種類の平均嗜好度と同一の「座り心地」に関連するイメージ形容語の平均嗜好度には非常に高い相関が見られた.この結果より,表皮布の「手触り感」よりシートの「座り心地」を評価することが可能であることがわかった. (4)イメージ形容語の平均嗜好度を目的変数,測定した表皮布の物理特性より求めた主成分得点を説明変数として重回帰分析を行い,「手触り感」,「座り心地」予測式を作成した.主成分は,6種類(主成分1は[圧縮特性と熱特性],主成分2は[表面特性と熱特性],主成分3は[試料厚さ],など)が得られた. (5)実験により得られた予測式の妥当性を検討するために,新たな被験者と試料を用いて市場検証を行った.評価イメージ形容語は「高級感」,「スポーティー感」,「シンプルな」,「カジュアルな」の4種類である.この官能検査で得られた平均嗜好度を実測値,試料の力学的特性より予測した平均嗜好度を予測値として相関分析を行った結果,両者間には高い相関がみられた.
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