配分額 *注記 |
13,100千円 (直接経費: 13,100千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2003年度: 9,200千円 (直接経費: 9,200千円)
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研究概要 |
本研究の最終的な目的は,擬音語から元の音の音響的特徴や音に対する聴取印象などの感性情報を得る手法を確立することにある。本研究では,先ず,種々の環境音を擬音語で表現すると共に,その聴取印象を測定する音響心理実験を行った。擬音語中の音声学的パラメータの類似性に基づいて擬音語回答を分類したところ,同じグループに分類された擬音語で表現された環境音には類似した音響的特徴が見られ,音の音響的特徴を捉える上で擬音語を用いることの有効性が示された。さらに,音響的特徴と擬音語の特徴,および聴取印象間に幾つかの関連性が見出された。例えば,高周波数帯域にエネルギーを有し,「鋭い,明るい」といった印象を伴う音は,母音の中でスペクトル重心が最も高い/i/を含む擬音語で表現される。 次に,擬音語によって元の音の感性情報をどの程度まで伝達できるか検討を行った。擬音語を被験者に呈示し,元の音をイメージさせ,イメージされた音に対する印象評定を行うと共に,呈示された擬音語から元の音の発生源や音を生じさせる現象を回答させる自由記述実験を行った。このイメージされた音の印象と擬音語の特徴の対応を検討すると共に,被験者が擬音語から音のどのような情報を獲得したのか検討を行った。結果として,擬音語からイメージされる音の主な印象は「大きさ」「高さ」「長さ」であった。また,環境音実験で得られた擬音語回答からイメージされる音の印象を測定し,元の音の聴取印象と比較した。結果として,金属性の印象については擬音語からイメージされた音の印象と元の音の印象が近いことが分かった。さらに,擬音語の特徴と印象の関連をより詳細に検討するために2モーラの擬音語を用いて同様の実験を行った。得られた結果に林の数量化理論I類を適用し,擬音語の構成要素から印象を推定するモデルを構築した。得られたモデルは別実験のデータにもよく適合し,モデルの有効性が確認された。
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