研究課題/領域番号 |
15300110
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経科学一般
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研究機関 | 生理学研究所 (2004-2005) 岡崎国立共同研究機構 (2003) |
研究代表者 |
川口 泰雄 生理学研究所, 大脳皮質機能研究系, 教授 (40169694)
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研究分担者 |
根東 覚 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科細胞生物学分野, 講師 (20301757)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
15,700千円 (直接経費: 15,700千円)
2005年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
2004年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
2003年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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キーワード | 大脳皮質 / 前頭皮質 / 線条体 / 錐体細胞 / 抑制性ニューロン / GABA / 樹状突起 / スパイン / バスケット細胞 / ニューログリア細胞 / ダブルブーケ細胞 / コラム構造 / 介在ニューロン / 発火様式 / 軸索分枝 / シナプスブトン |
研究概要 |
大脳基底核に送られる信号が大脳皮質でどのように作られるかを明らかにするために、線条体に投射する錐体細胞が多くある前頭皮質で、細胞のサブタイプを定量的に同定し、それらの形態・シナプス結合の定量的解析を進めた。 1.線条体に投射する錐体細胞の形態的・生理的同定 逆行性標識を使って、前頭皮質5層の錐体細胞で橋核へ投射するもの(CPn細胞)と対側の線条体に行くもの(CCS細胞)が異なる細胞群であり、細胞内通電に対して、CPn細胞だけに最初に二発のスパイクが出るものがあることがわかった。樹状突起のタフト構造がCCS細胞よりCPn細胞でよく発達しているが、CCS細胞の中でもタフトの発達に大きな差があった。 2.前頭皮質における非錐体細胞サブタイプの客観的同定と定量形態解析 非錐体細胞を発火様式・軸索の定量的分布パターンから客観的に同定し、その軸索分枝・シナプスブトン形成と樹状突起・スパイン形成を定量化し、次のことがわかった。(1)軸索分岐点間距離とシナプスブトン間距離は、独立に決まっていて、各サブタイプはそれらの値の固有の組み合わせをとる。(2)細胞体から出る樹状突起数、その伸長方向、平均分岐間隔、平均スパイン密度から非錐体細胞を3つに分けられる。(3)スパイン密度もサブタイプごとに異なり、特にマルティノッティ細胞で多く、スパイン形態の構成もサブタイプごとに異なる。 3.錐体細胞・非錐体細胞間のシナプス結合 上記のように同定した、錐体細胞または非錐体細胞の間のシナプス結合の解析を脳切片標本における同時記録および細胞内染色した細胞の立体再構築により進めた。同定した皮質線条体ニューロンの間の興奮性シナプス、またFS細胞から錐体細胞へのGABAシナプスを比較したところ、細胞体で観測できるシナプス電流は、興奮性シナプスではコンタクト数と比例していたのに対して、抑制性シナプスでは、細胞体からの位置に大きく依存していた。
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