配分額 *注記 |
14,400千円 (直接経費: 14,400千円)
2005年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2004年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
2003年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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研究概要 |
我々が同定したBRINPファミリー(BRINP1,2,3の3種類の新規タンパク質)は,神経分化過程で特異的に誘導され,神経系発達・脳高次機能や神経疾患における役割が推定される.本研究ではノックアウトマウスやタンパク質機能解析を通じてBRINPファミリーの生理機能と病態における役割を解明することを目的とした.H17本年度は,BRINPファミリーの遺伝子欠損マウスの作成を継続すると共に,各ファミリータンパク質の機能・発現解析に関して,以下の成果を得た. 1)各BRINP遺伝子Exon8欠損ES細胞を樹立してキメラマウスを得た.さらにBRINP1遺伝子に関してはヘテロ欠損マウスを得て交配した結果,生まれてくる子マウスの数が極めて少ないので,BRINP1ホモ欠損マウスは胎生致死であると推定している.今後BRINP1ホモマウスの胎生期の神経系発達の解析を行う.またBRINP2遺伝子については,現在ヘテロマウス作成中である. 2)正常非神経細胞に各BRINPを発現させると,細胞周期が抑制された(G1/S移行抑制).BRINP変異体を用いた解析により,細胞周期抑制能は各BRINPのC末側の複数の部位に存在した.一方,神経選択的転写抑制因子(NRSF)とBRINP1の発現異常(発現昂進および消失)によって生じる中枢神経系腫瘍細胞(Daoy細胞)を見いだした.Daoy細胞に各BRINP遺伝子を再導入すると,細胞周期の進行(S→G2/M)に伴ってアポトーシスが引き起こされた.すなわち,BRINPは新規ガン抑制遺伝子であると考えられる(論文作成中). 3)成体ラット脳内神経活動お昂進(カイニン酸投与)により,海馬歯状回におけるBRINP1遺伝子の発現が特異的に増大した.また同様な結果が,初代培養下お海馬神経細胞においても見られた.すなわちBRINP1は神経可塑性の形成にも関与すると考えられる(論文作成中).
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