研究課題
基盤研究(B)
コンデショナルノックアウトもしくはトランスジェニックシステムの代表的手法には、Cre/LoxPシステムがある。一般的に、CreとLoxPマウスラインは独立した遺伝子改変マウスが必要で、これらを交配して使用する。我々は煩雑な手法を簡略化する目的で、Creマウスの代わりにTAT-Cre融合タンパクを使用したコンデショナル遺伝子組み換え方法の確立を試みた。最初に、生体での遺伝子組み換えを評価する6種類のトランスジェニックマウス(pCX-LoxP-EGFP-LoxP-dsRed2,pCX-LoxP-pd4EGFP-LoxP-dsRed2,pCX-LoxP-EGFP-LoxP-mRedおよびGFPとRFPのそれぞれのリバースバージョン)を作製した。さらに、ES細胞にCMV-Neo/pCX-LoxP-EGFP-LoxP-mRedを導入後、その細胞株からキメラマウスを作製し、マウスラインを確立した。全身にCre蛋白を発現するトランスジェニックマウスとの交配実験で、遺伝子組み換え効率の高いラインを選抜した。一方、TAT-Cre融合タンパクは、それぞれPDT1,PDT2およびPDT3の3種類作製した。In Vitroの実験において、PDT1およびPDT2タンパクは、水に対する安定性が低いために沈殿物が出来た。PDT2の安定性を高めるためにPEG化したPDT3タンパクを作製した。PDT3タンパクは水溶性が高まり、沈殿物はごく少量にとどまった。PDT1およびPDT2タンパクを生体に投与した結果、観察した臓器において遺伝子組み換え率はばらつきが見られた。ペグ化PDT3タンパクを投与した結果、遺伝子組み換え効率が高まった。しかし、ペグ化PDT3タンパクでもすべての細胞に浸潤しないことがわかった。妊娠母体へCre融合タンパクを投与した場合には、胎盤を通過し胎児で遺伝子の組み換えが生ずるなど新たな知見も得られている。本研究期間内にCre融合タンパクを投与したときに生体の全ての細胞で遺伝子組み換えを可能にすることを実現したかったが、残念ながら現在まで結論を出すに至っていない。
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