研究課題/領域番号 |
15300142
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験動物学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
鶴山 竜昭 (2004) 京都大学, 医学研究科, 助手 (00303842)
日合 弘 (2003) 京都大学, 医学研究科, 教授 (10073131)
|
研究分担者 |
林崎 良英 理化学研究所, 横浜研究所, プロジェクトリーダー (70192705)
豊國 伸哉 京都大学, 医学研究科, 助教授 (90252460)
山田 義博 京都大学, 医学研究科, 講師 (30252464)
鶴山 竜昭 京都大学, 医学研究科, 助手 (00303842)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
12,700千円 (直接経費: 12,700千円)
2004年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2003年度: 9,100千円 (直接経費: 9,100千円)
|
キーワード | カタラクト / 遺伝解析 / RLC / レスキュー / DOCK180 / シグナリング / マウス / レンズ / NCT / ポジショナルクローニング |
研究概要 |
レンズはレンズ上皮細胞が分化したレンズ線維が複雑に編み上げられた構造体で、単純な構造ながら、レンズの発達、光学的特性に適応した動的な分子生物学的特性を持っている。この機能を維持するため多数の遺伝子が関与しているが、その変異は多くはレンズの混濁、つまり遺伝的カタラクトの表現型をとる。レンズ線維間、あるいは線維とカプセルとの接着にも多くの分子が関係していることが知られているが、その全貌は明らかではない。松島らが発見したRupture of lens cataract(RLC)はマウスの劣性単一変異遺伝子による遺伝的カタラクトで、生後35日ころからレンズ後縫合のレンズ線維末端部の変性により、線維相互間あるいは線維・カプセル間の結合が失われる結果、レンズの破綻がおこるものである。我々はRLCと野生マウス由来近交系MOMの交配系を遺伝解析し第14染色体の約28.5cMの位置に遺伝子座rlcをマップした。当研究室では理化学研究所林崎研究室と協力し、この遺伝子の本体の探索を行い、これが細胞内シグナル伝達分子DOCK180の9アミノ酸の欠損によるものであることを確定した。ミュータント形質はcrystallin promoterをつないだDock1 cDNAを導入したトランスジェニックマウスを作成することによりレスキューされることを確認した。この欠損はDOCK180下流のRac1の活性化を低下させることにより、細胞接着シグナルを細胞骨格系に伝える経路に機能不全をおこす。この結果、発達しつつあるレンズの内部応力に耐えることができず、レンズの破綻をきたすものと考えられた。RLCにみられる分子機構の異常はこれまで全く記載がなく、レンズの分子解剖を明らかにするのみならず、DOCK180の生理的機能についても新しい光をあてるものである。
|