研究分担者 |
仁田 新一 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (90101138)
松木 英敏 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70134020)
吉澤 誠 東北大学, 情報シナジーセンター, 教授 (60166931)
山家 智之 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (70241578)
本間 経康 東北大学, 医学部, 助教授 (30282023)
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配分額 *注記 |
16,900千円 (直接経費: 16,900千円)
2005年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2004年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2003年度: 11,200千円 (直接経費: 11,200千円)
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研究概要 |
本研究では,循環系が大規模・多変数・非線形・非定常の複雑系であり,その特性あるいは構造やパラメータの多くが未知であるという,生命体の特徴を考慮することにより,特に患者の個人差および生体や環境の時間的変動に対して自動的に対処することのできる制御装置を開発することを目指した.主な研究成果は以下のとおりである.1)一回抽出量と血圧の時間変動を模擬する非線形モデルにおいて,心拍数揺らぎを自律神経系情報として反映するフィードバック効果を導入することにより,心拍数に発生するカオスの性質が安静状態と運動状態で変化することが明らかとなり,これが実際の人間の特性に近いことが確かめられた. 2)人工心臓と自然心臓が複雑に競合する循環系において,自然心臓の心機能推定が可能うかどうかを,動物実験およびモデルを使って検討した.すなわち,定常流補助人工心臓を装着した山羊において,左心室容積と左心室圧を計測することによって心機能指標のEmaxを求め,この値の前・後負荷や定常流ポンプの回転数に対する変化を明らかにした.また,自己心と定常流ポンプが競合する微分方程式モデルを提案することにより,従来静特性を中心にその特性が議論されてきた定常流ポンプは,その最適駆動を考える際,動的特性を考慮しなければならないことを示した. 3)両心補助人工心臓において,定常流ポンプの抽出量を,ARXモデルを用いることにより,計測が容易な電力とモータ回転数から推定する方法を提案し,2週間程度の慢性実験では,当初の固定したパラメータを変えなくても抽出量を実用的な精度で推定できることが明らかとなった. 4)エネルギー伝送系と干渉しない磁気的情報伝送装置を内蔵した経皮的エネルギー伝送装置を,新たに提案した直交巻きコイルを使って実現し,これが位置ずれ等にも頑健で臨床応用上有効な通信能力を有することが明らかとなった.
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