研究課題/領域番号 |
15300159
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
加藤 天美 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (00233776)
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研究分担者 |
齋藤 洋一 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (20252661)
吉峰 俊樹 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00201046)
水野 由子 兵庫県立大学, 応用情報科学研究科, 助教授 (80331693)
下條 真司 大阪大学, サイバーメディアセンター, 教授 (00187478)
篠崎 和弘 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (40215984)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
11,100千円 (直接経費: 11,100千円)
2005年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
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キーワード | 事象関連脱同期 / 皮質脳波 / 脳-コンピュータインターフェイス / コヒーレンス / 帯域フィルタ / 脳磁図 / 運動企図 / 運動賦活 / 事象関連同期 / 大脳生理 / 運動皮質 / 合成開口法 / 脳皮質インプラント / 運動機能再建 / ブレイン-コンビュータインターフェイス |
研究概要 |
本研究では脳皮質活動を運動の企図段階で捉え、運動補助機器の能動的制御が可能となるような脳-コンピュータインターフェイス(BCI)の開発をめざした。 1.運動賦活時の脳磁図解析にて運動開始の数百ミリ秒前から運動準備磁界、ついで運動磁界、運動開始後に運動誘発磁界が分別観察された。運動関連領野にはβ帯域のERD(事象関連脱同期)とhighγ帯域のERS(事象関連同期)が認められ、後者は運動の制御のnegative feedbackに関与するinterneuronの活動との関連が示唆された。 2.皮質脳波解析では運動情報のストリームに沿って広範な律動変化が認められた。これは運動プログラムの形成にあたって運動関連領野が並行的・協調的に活動することを示唆した。 3.脳皮質脳波のスペクトログラフィーやコヒーレンス分析では、ERD/ERSを示した領域と電気刺激マッピングとの結果はよく一致した。特にαからβ帯域のERDと比較して、高周波帯域のERSは選択性が高く、どのような運動が企図されたかの判定に適していることが示唆された。コヒーレンス分析では前頭葉前部からの皮質脳波の相互依存性は高く、一次運動野に近づくに従って、独立性が増すことが判明した。これは運動プログラミングが当初大きな領域で遂行されるが、個々の運動に関してはより限られた領域内で独立して遂行されることを示唆した。さらに、これらは脳磁図との良好な相関が確認され、脳磁図が侵襲的な脳皮質インプラントの設置に際し、その適応を検討する非侵襲的診断として有用と考えられた。 4.これらの運動関連皮質脳波の運動企図判定のため帯域フィルタ法を応用したところ、おおむね80%の正答率が得られた。これは条件を最適化すれば92%の正答率が得られた。本方法が発展すれば実用的なBCIが構築できるものと考えられた。 5.言語活動でも運動課題と同様に、言語関連領野にERD/ERSが計測できた。いわゆる「テレパシー」と同様の情報伝達も可能と考えられた。
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