配分額 *注記 |
15,300千円 (直接経費: 15,300千円)
2005年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2004年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
2003年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
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研究概要 |
本研究では,癒着防止膜として最適な力学的強度と分解プロファイルを有する生分解性材料の調製を目的として,生分解性速度の調節が可能な乳酸-デプシペプチド・ランダム共重合体をAセグメントとし,親水性で組織非接着性を有するPEGをBセグメントとしたABA型トリブロック共重合体について検討した。デプシペプチドユニット中のアミノ酸として疎水性の高いロイシンを含む共重合体<PLGL-PEG-PLGL>および芳香族側鎖を有するフェニルアラニンを含む共重合体<PLGF-PEG-PLGF>について,その力学的特性や生分解挙動について検討した。分子量20000のPEGの両末端の水酸基を開始点として,環状デプシペプチドとラクチドとの仕込み率を変えて溶融封管重合を行い,PLGL-PEG-PLGL, PLGF-PEG-PLGFを合成した。得られた共重合体のキャスト膜引張試験の結果,ロイシンを含む共重合体と比較して,フェニルアラニンを含む共重合体の方が,高い弾性率と大きな破断のびを示した。PBS中でのフィルムの分解性を調べたところ,PEG含有率あるいはデプシペプチド導入率が高くなるほど分解が促進されることが確認された。また,同様な組成の場合,フェニルアラニンを含む共重合体の方がやや早い分解速度を有することも明らかとなった。一般にポリ乳酸系材料の力学・生分解特性において力学的強度の向上と生分解速度の上昇は相反するが,フェニルアラニンを含むデプシペプチドユニットを導入することにより,これらを両立できることが示唆された。PLGL-PEG-PLGLについては、ラット背部皮下に埋入し,生体内吸収性を評価した。その結果,デプシペプチドユニットの導入により吸収加速が認められ,炎症反応も無く高い生体適合性を有していることが示された。PLGF-PEG-PLGFのin vivo試験については現在検討中である。
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