研究分担者 |
渡辺 明日香 北海道大学, 医学部保健学科, 助手 (90281831)
井瀧 千恵子 弘前大学, 医学部保健学科, 講師 (00285008)
侘美 靖 北海道文教大学, 人間科学部, 助教授 (90279472)
山本 徹 北海道大学, 医学部保健学科, 教授 (80261361)
河口 明人 北海道大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (70214608)
|
配分額 *注記 |
16,700千円 (直接経費: 16,700千円)
2005年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2004年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2003年度: 11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
|
研究概要 |
情動を最適化できる個々人に適切な運動の一つとして,「快適自己ペース運動(CSPE)」に着目したのは,運動の短期効果研究(課題番号12680007)から一貫している。CSPEは快適であるという主観に基づいて運動負荷量をきめて遂行し,無理を強要しないため,運動を継続し易いと考えて検討を行った。青年男性,中高年齢者,青年女性において有益な研究結果を得た。即ち,無理なく楽しくできる快適自己ペースの運動を20分から50分間行うことで,情動(感情)は,爽快感・快感情・意欲などのポジテイブ感情が高まり,不安・抑うつ感などのネガテイブ感情が低減されることを認めた。このような情動(感情)の最適化は,運動を週あたり1-3回,3ヶ月程度以上継続実施した習慣者で,非習慣者に比べて顕著であった。感情の改善は脳機能の変化(前頭前野脳波左右偏側性)と関連する可能性を推測させる結果を得た。習慣者の前頭前野左右偏側性は非習慣者より大きかった。また,運動による体温上昇が,感情の改善や免疫能(血中NK細胞活性で評価)の高まりに関係することを,水温29-30℃と33-34℃のプールで実施した水中運動時の直腸温等の測定値から推察した。体温の上昇は全身的にホルモン分泌や自律神経活動を介した代謝応答を高めると推察される。情動を最適化する運動の短期効果は,運動を継続して長期に行う場合には,1回の効果が繰り返して現れることで,組織や器官の適応性変化となる。1回のCSPE実施では観察されない運動の効果が認められ(脳波前頭葉左右偏側性など),運動を実施しない安静状態でも変化が観察される指標(高いQOL得点・睡眠感得点など)が認められた。
|