研究概要 |
・MRIによる骨評価の妥当性 踵骨のMR画像を3次元的に撮像し,骨髄内の脂肪信号強度と骨全体の体積から骨内部の海綿骨体積を算出した.その数値から体積骨密度を推定し,従来から行われている2重エネルギーX線吸収(DXA)法および超音波測定(US)法との相関を検討した. MR画像から推定した骨密度はDXAのそれとよく相関し,US法でも骨密度と関連が深いとされる超音波伝播速度と高い相関を示した.このことから,MR画像を用いた骨密度推定法に妥当性があると結論した. ・運動による四肢骨全長での強度変化 アスリートの四肢骨の全長にわたるMRI像を得て,運動が骨構造と骨強度に及ぼす影響について調べることを研究の主眼とした. その結果,断面においてはアスリートでは皮質骨の外径・内径とも拡大し,2次元での強度指標がコントロールと比較して増大していることが明らかになった.現在3次元での強度指標について検討している. 現在は,骨形態を3次元化して強度のシミュレートを行うための手法を確立させているところである.2次元断面のMR画像をDICOMデータとして取得し,それをもとに3次元有限要素モデルを構築して力学的な強度試験をシミュレートする方法は完成している.ただし,長管骨全長にわたるモデル化と骨両端の骨皮質が薄く海綿骨が豊富な部分のモデル化,および解析時の境界条件の影響に関する詳細な検討に課題を残している.
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