配分額 *注記 |
9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2003年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
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研究概要 |
関節柔軟性はスポーツ損傷発生との関連性が高く,ルーズネステストなどの関節柔軟性テストは整形外科的メディカルチェックにおいて重要な項目である.本研究は各種トレーニングが関節柔軟性と筋伸展性に与える影響を基礎的な観点から検討することを目的とした.その結果,以下のような成果を得た. 1.従来ヒトでのみ検討されてきた関節柔軟性を実験動物(ラット足関節)にて評価する系を確立することができた. 2.上記評価系を用いた結果,ヒトにおいて報告のある加齢による関節柔軟性の低下がラット足関節においても観察された. 3.同様にヒトにおいて報告のある性差による関節柔軟性の差がラット足関節においても観察された.このとき腓腹筋の伸展性および筋内タンパク質であるコネクチンの亜型に関しても差が観察された. 4.単発のラット腓腹筋伸張性収縮トレーニングにより,トレーニング3日後に足関節柔軟性が有意に低下し,その後元に戻ることが観察された.ただしこの現象は週齢依存的であり,週齢の高いラットにおいては同様の現象は観察されなかった. 5.長期(20日間)のラット腓腹筋伸張性収縮トレーニングにより,ラット腓腹筋重量の増加,筋線維タイプの移行などが観察された.このとき足関節の柔軟性は対照とした等尺性収縮トレーニング群と比較して有意に上昇することが観察された.このときコネクチンに関してはトレーニング依存的な差は観察されなかった. 以上の結果の中でも特に伸張性収縮による筋および関節柔軟性の変化は特徴的であり,損傷予防の観点からもその応用性は高いことが考えられた.
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