配分額 *注記 |
16,300千円 (直接経費: 16,300千円)
2005年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
2004年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
2003年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
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研究概要 |
伏在逆断層によって生じる地表変形と地下構造との関係を明らかにすることを目的として,宮城県北部地震(M6.4)の震源域,伊那谷断層帯,長野盆地西縁断層帯,松本盆地東縁断層帯等,および羽越褶曲帯,を対象として反射法地震探査,重力探査,および既存データの再解析を行った.その結果以下の事が明らかになった. 1.東北日本に発達する活断層の多くは,中新世の引張テクトニクス下で形成された正断層が鮮新世以後の圧縮場のもとで逆断層として再活動したものである.2003年宮城県北部地震(M6.4)の震源断層は地下に伏在していたが,反射法地震探査と重力探査データの解析の結果この様なテクトニック・インバージョンの典型例であることが分かった. 2.2004年中越地震震源域とその周辺,松本盆地東縁断層帯,および長野盆地西縁断層帯は,羽越褶曲帯から北部フォッサマグナにいたる一連の中新世リフト帯中に位置する.これらの断層帯/褶曲帯の主断層は松本盆地東縁断層帯以外は基本的に地下深部に伏在する極めて低角の逆断層である可能性が高い.また,2004年中越地震の震源断層は,低角の主断層の下盤側ブロック内に存在する高角逆断層であり,羽越褶曲帯の地表変形を造った主断層とは無関係である可能性が高い. 3.一方東北日本の活断層と異なり,伊那谷断層帯は第四紀に発生し盆地堆積物下に伏在するデコルマを伴う低角逆断層帯と予想されていた.反射法地震探査と重力探査を実施した結果,盆地堆積物下の基盤岩中に先第四紀の正断層とその再活動(逆断層すべり)の構造が見つかった.これは,西南日本においても中新世に形成された既存構造が現在のテクトニクスを支配する重要な要素である可能性を示唆している.
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