配分額 *注記 |
15,400千円 (直接経費: 15,400千円)
2006年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2005年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
|
研究概要 |
北太平洋亜寒帯海域における基礎生産過程を研究する手法としてセジメント・トラップ実験を導入し,長期間にわたるこの研究の継続を通じて基礎生産過程の経年変動を引き起こす環境要因,特にアラスカンストリームなどの海洋物理的要因を解明し,近未来の海洋環境の変遷を予想することを本研究の最終目的とし,研究代表者および研究分担者の3名〜4名は,平成15年度〜平成18年度に北大水産学部所属練習船「おしょろ丸」の北洋航海(6〜8月)に乗船し,中央北太平洋亜寒帯海域(49°N,174°W)およびベーリング海盆(53.5°N,178°W)において,セジメント・トラップの回収と設置を行った。 得られた沈降粒子については,全沈降粒子量,炭素/窒素含有量,タンパク質アミノ酸,非タンパクアミノ酸,ヘキソサミン,安定同位体比,生物起源炭酸カルシウム,生物起源オパールの同定・定量を行なった。また,顕微鏡観察による珪藻,放散虫,有孔虫および円石藻類の定量および種組成の解析が行われた。さらに,CTDおよびXCTDを用いてアラスカンストリームおよび亜寒帯海流の流量および熱・塩分輸送量を解析し,また,Argoフロートのデータ解析により物理的海洋環境変動を解析した。 以上の分析および解析の結果から,2003年春期のベーリング海における珪藻を主体とする高い沈降粒子フラックスのピーク,北太平洋亜寒帯海域における有孔虫類や円石藻類を主体とする炭酸塩物質による沈降粒子フラックスの最大ピークの時間的ずれなど,過去(1990年〜2001年)に認められたそれらの季節変動および年変動と大きく異なることが明らかとなった。これらの変動は,表層水温や表面水温偏差の変動と密接に関与していると考えられた。
|