研究課題/領域番号 |
15310011
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境動態解析
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研究機関 | 独立行政法人国立環境研究所 (2004-2006) 静岡大学 (2003) |
研究代表者 |
大原 利眞 独立行政法人国立環境研究所, アジア自然共生研究グループ, 室長 (80313930)
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研究分担者 |
顔 暁元 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境フロンティア研究センター, 研究員 (20360761)
菅田 誠治 独立行政法人国立環境研究所, アジア自然共生研究グループ, 主任研究員 (40260187)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
12,400千円 (直接経費: 12,400千円)
2006年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2005年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2004年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2003年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | アジア / 大気環境 / 将来予測 / 化学天気図 / 広域大気汚染 / 越境大気汚染 / 排出インベントリ / 化学輸送モデル / 大気組成変動予測シミュレータ |
研究概要 |
アジアの大気環境問題は世界で最も重要な環境問題の一つと考えられる。さらに、将来的に、エネルギー消費の増大、産業構造の変化、土地利用の変化に伴う大気質の激変が予想されることから、アジアにおける大気環境の将来変化を予測し定量化することは緊急かつ重要な課題である。しかし、その重要性に比して、アジアにおけるエアロゾルや対流圏オゾンなどの大気汚染物質の将来動向を予測した研究は極めて少ない。このような背景のもとで、本研究では以下の点を明らかにすることを目的とする。 (1)アジアにおける将来の大気汚染排出量を推計する。 (2)大気組成変動予測シミュレータを開発し、アジアにおける対流圏オゾンとエアロゾルの将来変動を予測して高分解能の化学気候予測図を作成する。 アジアにおける1980年〜2000年を対象とした人為起源の大気汚染物質(SO_2、NOx、CO、BC、OC、NMVOC、NH_3、CH_4、N_2O、CO_2)の排出量推計を行った。アジア域における燃料消費量は20年間で倍増し、それに伴って、大気中への物質の排出量も1.2倍(BC)〜2.3倍(NOx)に増加している。特に、中国における増加傾向が著しく、20年間におけるNOx排出量の増加率は約3倍にもなる。また、3種類の将来排出シナリオを設定し、2010年と2020年における排出量を予測した。2020年の中国におけるNOx排出量は、2000年に較べて-3%〜+131%となり、高排出シナリオでは現状の2.3倍も増加する。 一方、地域気象モデルと領域化学輸送モデルを結合した大気組成変動予測シミュレータを開発した。このシミュレータと将来排出量を用いて2020年の対流圏オゾンを予測し、将来化学天気図を作成した。高排出シナリオでは、東アジアの広い地域でオゾン濃度が急激に上昇し、日本への影響も増大して、西日本一帯で年平均濃度が環境基準レベルに近づく。このように、近い将来、越境汚染によって日本のオゾン濃度レベルが高くなる危険性が非常に高い。
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