研究分担者 |
西條 辰義 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (20205628)
武藤 滋夫 東京工業大学, 大学院社会理工学研究科, 教授 (50126330)
蟹江 憲史 東京工業大学, 大学院社会理工学研究科, 助教授 (90326463)
中丸 麻由子 東京工業大学, 大学院社会理工学研究科, 講師 (70324332)
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配分額 *注記 |
15,800千円 (直接経費: 15,800千円)
2006年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2005年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2004年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2003年度: 8,800千円 (直接経費: 8,800千円)
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研究概要 |
地球温暖化問題は,我々が取り組まなければならない最も重要な課題のひとつである,この研究プロジェクトでは,温室効果ガスの削減を効率的にかつ公平に実現するために,どのように制度を設計すべきかについて,ミクロ経済理論,実験経済学,国際関係論,ゲーム理論,社会シミュレーション解析の手法を活用して分析した. 京都議定書では,地球温暖化防止を促進させるために制度の一つとして,排出権取引制度が提案された.競争均衡価格で排出権が取引され,市場メカニズムがうまく機能するならば,京都議定書の目標は最小の費用で効率的に達成できるはずである.だが,排出権取引は各国の国内削減努力に対して補完的なものであるべきだとの条項が議定書にはある.この排出権取引における補完性(supplementarity)の問題を分析し,排出権の需要者および供給者共に補完性として数量制約を設定できるならば,各国は排出権取引メカニズムを全く使わないという制約をおくことが均衡になるという結論を導いた. また,排出権取引制度に関して,経済理論と実験経済学の手法を用いて,温室効果ガス削減のための投資に関わる不確実性の経済効率性に与える影響,炭素税と排出権取引の比較,排出権取引における売り手責任と買い手責任,日本が京都議定書の目標を達成するための上流還元型排出権取引制度の最適性などの分析を行っている. さらに,温室効果ガスの削減などの公共財を効率的におこなうために,参加者のインセンティブを考慮に入れて,制度をどのように設計するかを吟味した.他人がどのような行動を採ろうとも,自分はウソをつかず正直に行動するのが一番であるような戦略的操作不能(strategy-proof)と呼ばれる制度の設計について,理論と実験の両方の観点から再検討した.
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