研究課題/領域番号 |
15310029
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境影響評価・環境政策
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研究機関 | 総合地球環境学研究所 |
研究代表者 |
吉岡 崇仁 総合地球環境学研究所, 研究部, 助教授 (50202396)
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研究分担者 |
関野 樹 総合地球環境学研究所, 研究推進センター, 助教授 (70353448)
徳地 直子 京都大学, フィールド科学教育研究センター, 助教授 (60237071)
木平 英一 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, COE特任助教授 (70345867)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
14,400千円 (直接経費: 14,400千円)
2005年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2004年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2003年度: 9,200千円 (直接経費: 9,200千円)
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キーワード | 森林生態系 / 渓流水質 / シミュレーションモデル / 集水域 / 輪伐 / 大気窒素負荷 / 輪伐林 / 硝酸塩イオン / 伐採の長期影響評価 |
研究概要 |
森林生態系の撹乱に伴う影響について既往の研究をまとめ、その長期影響評価を北米で開発されたPnETモデルをわが国にも適用するための検討を行った。輪伐を実施している森林集水域において得られた観測結果を、森林の物質循環モデルであるPnNT-CNモデルに組み込むことにより、渓流水質形成メカニズムのモデル化を行った。硝酸塩イオン(NO^-_3)濃度のレベルについては、シミュレーション結果と観測値との間で違いが見られたが、林齢による濃度の変化はほぼ再現された。伐採による(NO^-_3)濃度の増大は20年間ほど継続すると予想された。これは、観測データとほぼ一致するものであった。また、伐採強度(伐採率)が40%の場合には、渓流水の(NO^-_3)濃度はほとんど増加しないというシミュレーション結果となった。また、PnET-CNで森林撹乱の長期影響予測をしたところ、林齢に伴う現存量の頭打ちや加齢に伴う葉の窒素濃度の低下といったパターンはほぼ再現された。しかし、個々の数値には既存の研究にみられる実測値と大きな隔たりがあった。これらのことから、諸現象の再現は擬似的なものに過ぎず、今後は水分条件や養分条件、根系の発達過程などに基づいたパラメータの設定を行うことが必要であるが示された。さらに、精度の向上のためには必要な新しいプロセスとして更新プロセスが、わが国への適用のためには地形的異質性などを加味した新しい水文プロセスが重要であると考えられた。 また、より広い範囲での渓流水質と集水域環境の関係を明らかにする目的で、日本全国の渓流水調査(1270ヶ所以上)を実施し、溶存成分の分析を行った。全国渓流水質調査結果については、集水域パラメータとの相関を解析し、(NO^-_3)濃度は、大気負荷量がもっとも大きな規定要因であることが示唆された。1950年代と比較して、(NO^-_3)濃度が増大している現状が明らかとなった。一方、リン酸イオン濃度については地質の影響が最も大きいことが示された。
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