研究課題/領域番号 |
15310031
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線・化学物質影響科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小野 哲也 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00107509)
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研究分担者 |
池畑 広伸 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90250737)
上原 芳彦 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (30223499)
中村 典 放射線影響研究所, 遺伝学部, 部長 (00010116)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
14,600千円 (直接経費: 14,600千円)
2005年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
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キーワード | ミスマッチ修復 / 突然変異 / 生物学的意義 / マウス / lacZ / 染色体 |
研究概要 |
ゲノム上での突然変異の増加は癌や老化の原因であると考えられているが、その詳細はまだ良く分かっていない。そのような中で、DNAミスマッチ修復に関与している遺伝子が欠損したマウスでの突然変異が大幅に増加し、また癌も多発することが明らかにされたが、変異増加は多臓器にわたるにもかかわらず癌は3つの組織に限られ、また老化促進の報告もない。そこで、突然変異増加と生体の変化を生体の時間軸に添って解析することにより両者の関連性についての詳細な解析を行った。具体的にはミスマッチ修復に関わるMlh1遺伝子及びMsh2遺伝子の欠損マウスを用い、胎仔期から成熟期にかけて突然変異がどのように変化するか、それに伴う細胞あるいは組織レベルでの変化はないか、変異をもった細胞が除去されることはないか等について解析した。その結果、Mlh1欠損マウスでもMsh2マウスでも生まれるまでに突然変異は急激に増加し、その後の増加は余り無いこと、少しの臓器依存性のあることなどが分かった。ただしMlh1欠損マウスでは胎仔の器官形成期の終わりですでに高いのに対し、Msh2欠損マウスではその後に変異が増加してくることから、両遺伝子の活性は胎仔期の異なる時期に重要な役割を果たしていることが示唆された。その後の成長期では両遺伝子ともそれ程重要ではない。変異頻度の高い胎仔期の組織に異常は見られないので、異常をもった細胞が生体内で除去される可能性が示された。そこで胎仔でのアポトーシス頻度を調べたが、変化はなかった。ただし2Gyの放射線照射によって誘発される染色体異常(転座)はそれが胎仔期から生後10日令までに起こると、その後の時間経過によって消失することが見出された。これは異常をもった細胞が時期特異的に除去されることを示唆するものである。
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