研究課題
基盤研究(B)
我々は近年、紫外線誘発DNA損傷のシクロブタン型ピリミジンダイマーや(6-4)光産物を超高感度に検出定量する系を開発し、(6-4)光産物に対するヌクレオチド除去修復欠損をバックアップする機構の存在を示唆してきた。本研究では、その実体を明らかにすることを目的として以下の解析を行った。1)完全欠損型ノックアウトマウス由来細胞を用いて1J/m^2の紫外線照射後の(6-4)光産物の修復動態を調べたところ、24時間後に30-50%の(6-4)光産物が消失し、CPDについても程度は低いものの有意な消失が認められた(48時間で20-30%)。2)日本人XP-A患者に多い変異であるAlwNI型変異をもつXPA cDNAをHeLa細胞に導入して安定発現する形質転換細胞を得たところ、ベクターのみを導入したコントロール細胞と同じ修復能を示したことから、この変異型XPAタンパク質はドミナントネガティブ効果がないことがわかった。3)シクロブタン型ピリミジンダイマーの検出感度をさらに10倍上昇させることに成功し、健常人由来細胞で100%、XP-A細胞でも90%程度が生存できる0.1J/m^2という紫外線照射後の修復動態をXP2BI細胞(XP-G)で調べたところ、シクロブタン型ピリミジンダイマーの時間依存的な消失がより顕著になり、新規のDNA修復機構が(6-4)光産物と同様にシクロブタン型ピリミジンダイマーに対しても働きうることが示唆された。4)適応応答についても検討を行ったが、前日に極低線量(0.2J/m^2)を照射しておくことで1J/m^2照射後の修復効率にわずかな亢進が見られたものの、適応応答の存在を確信するには至らなかった。以上の結果より、(1)この修復活性はヌクレオチド除去修復の残存活性ではなく別の機構によること、(2)この機構はヒトのみならずマウスにも存在すること、(3)修復効率はヌクレオチド除去修復と同様にシクロブタン型ピリミジンダイマーより(6-4)光産物の方が効率的であること、(4)この経路には少なくともXPAおよびXPGは関与しないことが明らかとなった。
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