研究概要 |
本申請研究では、N_2,O_2-N_2,H_2-N_2各雰囲気下での非平衡プラズマによる有機ハロゲンガスの分解挙動の把握を行った。さらに、ハロゲン活性種のin-situ捕捉による副生成物の高度発生抑制ならびに高効率無害化分解を目的として、アルカリ固体吸収剤をプラズマ反応場にin-situで組み合わせることによるハロゲンガスのプラズマ分解について検討した。 O_2の添加によりハロゲンガス(CCI_4,CHF_3,CHClF_2)はN_2雰囲気よりも分解効率は低下したものの、O_2濃度の増加とともに分子構造内に含む炭素の酸化によりCO_2の生成量は増加した。また、CHClF_2の分解過程において、N_2雰囲気で検知したCCl_2F_2,HF,HCl,F_2,Cl_2の副生成物以外に、COF_2やCOCl_2の形成が認められた。一方、H_2-N_2雰囲気でのCF_4,CHF_3,CHClF_2,SF_6のプラズマ分解では、N_2雰囲気に比べてCF_4,CHClF_2及びSF_6の分解率は向上したものの、CHF_3の分解率は低下した。また、H_2雰囲気におけるSF_6分解処理後の生成物として、N_2雰囲気で検知したF_2以外に、H_2S及びHFの形成が確認された。 O_2雰囲気のCHClF_2、及びH_2雰囲気のCHF_3においてCa(OH)_2をプラズマ反応場に導入したin-situプラズマ分解を行ったところ、Ca(OH)_2を添加しない結果に比べて分解率は向上し、O_2雰囲気でのCO_2の生成量も増加した。また、アルカリ吸収剤が添加されていないCHClF_2の分解過程で生成が認められたHF,COCl_2のような副生成物もまた、in-situ吸収の効果によって大幅に低減されることがわかった。 以上の研究成果から、アルカリ固体吸収剤をプラズマ反応場に直接導入することによりハロゲンガスの分解率の向上,有害副生成物の生成抑制を同時に達成できることが明らかとなった。
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