研究課題/領域番号 |
15310060
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境技術・環境材料
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
羽野 忠 大分大学, 工学部, 教授 (80038067)
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研究分担者 |
平田 誠 大分大学, 工学部, 助教授 (20264327)
通阪 栄一 大分大学, 工学部, 助手 (40363543)
宮崎 博文 大分県生活環境部, 環境保全課, 課長補佐
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
2004年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2003年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | 脱窒 / 独立栄養細菌 / 硫黄 / 石灰石 / 充填塔 / 連続処理 / 阻害 / アルカリ度 / 亜硝酸態窒素 |
研究概要 |
本研究は,有機体炭素/窒素の比が極端に低い大量の排水に対する窒素除去技術として,硫黄粒子を電子供与体とする独立栄養細菌を用いた処理プロセスの確立を目的とした。本年度の研究により,下記の結果を得た。 1)亜硝酸態窒素の阻害作用 脱窒反応の中間体である亜硝酸態窒素は、原排水中に含まれることもあるが、脱窒反応を抑制することが知られている。詳細な検討の結果、亜硝酸態窒素の阻害作用は酵素反応における非拮抗型阻害モデルで説明された。阻害定数はpHの低下とともに小さくなる(阻害作用が強くなる)ことから、非解離の亜硝酸分子が阻害をもたらしていることが示唆された。亜硝酸態窒素の還元に比べ、硝酸態窒素の還元に対する亜硝酸態窒素の阻害作用の方が強いことが分かった。菌体懸濁系に比べて生物膜系(充填層)では、阻害を及ぼす非解離亜硝酸濃度の最低値は低くなり、脱窒操作におけるpH制御の重要性が示された。 2)鋼材酸洗浄排水を用いた連続処理の解析 排水中に含まれる重金属やフッ化物の影響を長期間操作を行って調べたが、ppmオーダーでは無視できた。一方脱窒率は同じ窒素濃度に設定したモデル排水の方が高く推移し、おそらく実廃水ではアルカリ度の供給が十分でなくなることが原因と考えられた。長期間操作後の石灰石粒子表面を分析した結果、表面に鉄、リン、硫黄化合物の析出が観察されたことから、これらが粒子表面を覆うことでアルカリ度調整能が低下したものと思われる。 3)埋め立て地浸出水の連続処理 一般廃棄物処分場からの浸出水を用い、硝酸態窒素の連続処理実験を行った。原水中の硝酸態窒素濃度は低いものの有機物濃度も低かったため、本システムは良好な窒素除去能を長期間維持できた。有機態炭素を構成する成分の詳細は不明であったが、阻害作用等は観察されなかった。
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