配分額 *注記 |
13,300千円 (直接経費: 13,300千円)
2005年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2004年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
2003年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
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研究概要 |
資源循環型社会の構築においては,ゼロエミッションが不可欠な課題となる.しかしながら,製品に使用される材料には高機能化により材料の複合化や,各種材料が組み合わせられるなどリサイクルの点で問題が多い.最終的に破砕された製品や,部品では残滓として各種金属や合金が分離不能として存在し,埋め立て処分される.このような分離不能の回生原料中の不純物を積極的に利用し素形材化するプロセスの開発が望まれている. そこで本研究では,銅とアルミニウムが不純物として入った鉄スクラップの有効利用法について研究した.銅含有鉄スクラップでは,粉末冶金法の技術を用い,急冷凝固粉末中に不純物を封じ込めたまま,温間域で強加工成形する技術を検討した.アルミニウム含有鉄スクラップでは,不純物に対して許容量が鋼より大きい鋳鉄に着目し,アルミニウム含有鋳鉄の創製実験を試みた.アルミニウム中に不純物の鉄が混入すると,凝固時に粗大針状の金属間化合物が生成しリサイクルが困難となる.そこで凝固時に超音波振動を付加して形状を制御することを実験した.Al-Si合金中に4mass%Feを入れて溶解し実験を行った. 銅を多量に含む鉄スクラップの利用法として,Fe-Cu急冷凝固粉末にして強加工成形を施すことで,銅を含まない鉄鋼素材を上回る機械的特性に優れた素形材創製の可能性を見いだした.鉄にアルミニウムが複合化されたスクラップの有効利用法として,アルミニウム含有鋳鉄を製造した.この鋳鉄でのアルミニウムの影響を検討し,耐摩耗性に優れた鋳鉄素形材化の可能性を見いだした.Al-6Si-4Fe,Al-12Si-4Fe合金では,粗大針状に金属間化合物が生成するが,超音波振動で微細粒状になった.Al-18Si-4Fe合金では,粗大粒状組織を微細粒状組織に変えることができた.
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