研究課題/領域番号 |
15310073
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ナノ構造科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
前川 覚 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (40135489)
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研究分担者 |
宮下 精二 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (10143372)
小山田 明 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助手 (60211835)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
12,200千円 (直接経費: 12,200千円)
2005年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2004年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2003年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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キーワード | ナノスケール / ナノサイズ / メゾスコピック / 分子磁性体 / 核磁気共鳴 / トンネル現象 / スピン / 量子 |
研究概要 |
ナノスケール分子磁性体Fe8、Fe10、Fe12、Mn6R6、および関連物質について試料合成、磁化測定、NMR実験、ミューオンスピン共鳴(MuSR)実験、およびそれらの実験結果の理論的解析を行った。 1.合成スピンS=10のナノスケール分子磁性体Fe8の大型単結晶試料の合成に成功し、NMRを用いて初めて、メゾスコピック量子トンネル現象を観測し、Landau-Zenerの理論により解析を行った。また核スピン緩和率の測定を行い、離散的エネルギー準位間の遷移により緩和が起こっていることを明らかにした。 2.Fe8の容易軸方向に磁場をかけたときの300mK以下のスペクトルは磁場・温度サイクルに依存して大きく変化することを見いだした。これらはスピンの初期状態、共鳴量子トンネル、スピン緩和が寄与していると考えられる。 3.Fe8の容易軸に垂直な方向に磁場をかけてトンネルギャップを広げてスペクトルの測定を行い、電子スピン励起によると考えられるスペクトルの変化を観測した。 4.Fe8についてスイスPSI研究所でA.Keren教授とMuSRの共同実験を行い、量子トンネリングが起こっていることを確認するとともに、多ビット磁気記憶素子のモデルとして使えることを示した。 5.反強磁性リング磁性体Fe10の基底状態はS=0であるが、理論的に量子トンネル現象の実現が予想されている。Fe10のスペクトルと緩和率の理論的解析を行い、離散的低エネルギー準位とスピンダイナミックスを明らかにした。 6.反強磁性リング磁性体Fe12について、スピン個数依存性や相互作用依存性について研究を行った。 7.量子トンネル現象が起こる可能性のあるフェリリング分子磁性体Mn6R6を合成し、低温でS=12の超常磁性状態に変化することを明らかにした。NMRの実験を行い、離散的エネルギー準位と粉末測定緩和率との関係を明らかにした。
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