配分額 *注記 |
13,100千円 (直接経費: 13,100千円)
2005年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2004年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2003年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
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研究概要 |
本研究では,共鳴核反応法を利用して固体中水素を高感度で測定する手法の開発とその応用に関する研究を行った。用いた核反応は^1H(^<15>N,αγ)^<12>Cである。この核反応は,6.385MeVに第一共鳴が,13.35MeVに第2共鳴があることが知られている。これまで第一共鳴を利用することで,10^<19>/cm^3の感度があることを示したが,本研究では新たに第二共鳴の核反応断面積と共鳴幅,さらに非共鳴反応断面積を詳細に測定することで,第二共鳴を用いて固体中水素を測定するときの感度と分解能の見積もりを行った。 厚さ40nmのSiNHx試料を用いて,共鳴プロファイル測定を行い第一共鳴と比較を行った。その結果第二共鳴は8.7±0.2倍の反応断面積を持つことを明らかにした。阻止能の違いを考慮すると,第一共鳴と比べて10倍の感度上昇が可能であることを示した。また検出器周辺のシールドを強化することで背景信号を30%低減することに成功した。続いて,測定限界を決定する非共鳴反応断面積を見積もるため,ビームエネルギー6-16MeVの範囲で反応断面積の測定を行った。このエネルギー領域ではγ線スペクトルに注目する核反応以外のバックグランドが観測されたため,まず非水素起源のバックグランドを見積もり,その寄与を差し引いた上で非共鳴断面積を評価した。このために共鳴プロファイルに起因するローレンツ成分と水素分布の数値的たたみ込みを行うためのプログラムを開発し,これを用いて広いエネルギー範囲での非共鳴断面積の見積もりに成功した。確立した手法を用いて,SiO_2/Si試料およびSiGe試料中の水素濃度の高感度測定を行い,デバイス特性との関連を考察した。
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