研究課題/領域番号 |
15310102
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
マイクロ・ナノデバイス
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
島田 宏 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (60216067)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2003年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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キーワード | 微小Josephson接合 / 電流ミラー / 単一電子素子 / 電荷ソリトン / 帯電効果 / 電流ミラー効果 / 単一電子トンネリング / 接合列 / 微小トンネル接合 |
研究概要 |
微小Josephson接合列を用いた量子電流ミラー効果に関して、次のような成果を得た。 1.この効果の応用の第一歩である電流二倍器の実現、またその動作特性の解明、さらに、より大きな整数倍器を実現する上での素子作製上、回路構成上の留意点を明らかにした。 2.この効果の特徴として、接合のJosephson結合エネルギーの大きさと最大ミラー電流の関係、同じ接合特性を持つ接合列の接合数(素子長)と最大ミラー電流の関係、この効果が起こるバイアス電圧範囲などについてのデータ蓄積を行った。 3.接合数が異なる接合列間での電流転写の特性を明らかにした。特に、短い接合列から長い接合列への電流転写が不完全であることが明になった。 4.3接合列からなる素子で、直接静電容量で結合していない接合列間でも、直接静電容量で結合した接合列間と同様に電流転写が生じることを見出した。 これらうち、成果1は、本研究全体を通じての目標の一つであり、予想した素子構造で微小電流の整数倍器が原理的に作製できることを検証できた大きな成果であった。また、成果4は、本研究全体として想定外の結果であり、量子電流ミラー効果が、予想された「静電結合による電荷ソリトン間の局所的な相関」というメカニズムではなく、何らかの非局所的な媒体を通じての相関によるものであることを示唆する。これは、この現象がより深い物理的な内容を持つことを物語っており、新たな研究展開を予期させるものである。
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