配分額 *注記 |
10,200千円 (直接経費: 10,200千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2004年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2003年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
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研究概要 |
ハロン消火・CO_2消火・強化泡消火に替わる新しい消火法として,環境への影響が小さい水性泡に不活性ガスを閉じ込めた水性泡消火法を開発し,船舶の機関室や立体駐車場などへの本消火法の応用を念頭に研究を行った.立体火源配置可能な燃焼装置および不活性ガス-泡消火装置を作成し,1)立体的に配置した小型プール火災の燃焼率の測定および火炎性状の観察,2)不活性ガス種,ガズ流量,水流量,発泡倍率を変えた消火実験,を行った,1)より,火源が立体的に配置されている場合,2つの火源の燃焼率に差が生じ,上側に配置したプール火災の燃焼率が増加する.2つの火源間での放射伝熱計算を行ったところ,実験において生じた燃焼率の増加傾向は説明できず,火源規模によっては流れ場の変化による対流の影響も大きいことがわかった.放射・対流共存伝熱計算を行ったところ,実験で得られた傾向が得られ,火源の大きさによる立体火源の燃焼率増加傾向を説明することができた.2)より消火時間が最小となる最適のガス流量・液流量の組み合わせが存在し,発泡倍率が増加すると泡の強度は弱くなり,火炎に近づくとすぐに崩壊して内部の不活性ガスが火炎に流入するため消火性能は高いが,反面泡の流動性,保持率が悪くなることがわかった,本研究により得られた立体火源の特性から,上側に位置する火源の燃焼率が高く,立体火源への本消火法の適用には,より泡強度が強く,流動性の良い泡により効率的に上側火源に泡を供給することが必要である.3)ガス流量・液流量をコントロールすることにより泡径を変化させた消火実験,を行った結果,泡径を1mm程度と小さくすることで流動性が増し,消火性能が向上した.よって,泡径が小さく,流動性の高い泡を上側火源へと供給することにより,不活性ガスを含む水性泡消火法を立体火源に適用することが可能であることがわかった.
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