配分額 *注記 |
7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
2005年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2004年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2003年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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研究概要 |
都市の本質はそこに存在する人やものが自由に動くことができ,様々な人やもの同士が出会うことができることにある,という考えから出発し,空間におけるあらゆる二点間の移動時間分布と通過量分布とを空間を分析する上での基礎的なものと考え,これに基づく空間の分析や,基礎的理論の開発を行なってきた. 以下に本研究で得られた成果の主要な部分について述べることにする.まず一つは関東地方における鉄道の空間拡大効果を距離分布,移動時間分布により明らかにし,さらにこれをもっと厳密に算出する方法を理論的にも進化させたことである. またいくつかの都市空間において,時間分布や通過量分布を算出し,これにより有効な知見を得た.分りやすい現実的な事例を述べると,幹線道路に囲まれた街区内の一方通行規制をどのようにやったらよいか,というテーマに理論的に取り組むことができ,現状よりも良い結果を導くことができた.また災害等の影響で迂回を余儀なくされた時,道路閉塞による損失を計算することにより,頑健な道路網とは何かというテーマにも,ある程度の回答を得ることができた. 理論的な発展としては,これまで算出が困難であった放射環状の都市における距離分布や通過量分布が理論的に計算できることが示されたこと.空間が平面でなく,高層化を考慮に入れた3次元についても理論化が可能なことを示すことができた. ただ,距離分布等を厳密に計算する際,積分幾何学における一様に分布する直線を介して4次元の計算を2次元空間に縮約して計算するのだが,この一様な直線を,現実の都市空間におけるネットワークに対応させるという問題に関して理論化するという課題については,残念ながら未解決に終わった.
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