配分額 *注記 |
13,900千円 (直接経費: 13,900千円)
2005年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2004年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2003年度: 8,200千円 (直接経費: 8,200千円)
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研究概要 |
最終年度にあたる平成17年度は,典型的な非理想爆轟挙動を呈する産業爆薬である硝安油剤爆薬(ANFO)に加え,硝安と活性炭粉末を混合した組成物を作製し,硝安の物性,混合組成比が爆発燃焼特性ならびに衝撃波起爆時の爆轟特性に与える影響について検討した。これらの成果は,次世代のエアバッグやロケット推進薬として硝酸アンモニウムを用いる際の性能および安全性の検討に不可欠な情報となる。 その結果,粉末状硝安に活性炭を混合した場合,わずか0.1%混合しただけでも爆轟特性が向上し,実験室規模においても定常爆轟することを見出した。また,混合比を増加させた場合,化学量論組成である硝安/活性炭=93/7よりも活性炭量が少ない5%において爆轟性能が最高となり,この系の爆轟特性は化学的因子とともに物理的因子が大きく影響することが明らかとなった。一方,粒状硝安やプリル硝安については,起爆感度は低いものの,粉末状硝安と同様な傾向が見られた。さらに,CHEETAHによる熱化学平衡計算による理論値と比較を行い,爆轟波面での反応率の推定を行い,非理想爆轟現象ついて考察を行った。 3年間の研究成果により,エネルギー物質への衝撃エネルギーの付与による反応開始から,反応進行,定常爆轟に至る超高速のプロセスを,高分解能ピエゾ抵抗圧力素子を利用した計測システムにより実時間計測を行い,爆轟速度と圧力の計測結果に基づく現象解析と超高速度カメラ撮影による凍結画像により確認し,それらを基に極限反応の機構に関する情報を得る手法を確立した。尚,1次元の古典的爆轟理論を用いた従来の爆発リスクアセスメントシステムへの,詳細な爆轟モデルの導入については今後の課題となった。
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