配分額 *注記 |
11,400千円 (直接経費: 11,400千円)
2005年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2004年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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研究概要 |
わが国では,津波,高潮,洪水氾濫の危険地帯が重なっている場合が多い.大阪はこれら3つの災害が,東京や名古屋は高潮と洪水の同時氾濫が心配されている.とくに2005年ハリケーンカトリーナによるニューオーリンズの未曾有の高潮氾濫災害は,先進国でも忘れてはならない災害であることを示した.そこで,従来の紙ベースでのハザードマップの作成では,住民に提供できる情報量に限界があるため,その改良は困難である.それに代わって,シミュレーション結果を動画の形で提供できる動的ハザードマップの試作を行った.たとえば,三重県の尾鷲市を対象とした津波ハザードマップにおいて,住民の防災教育効果の向上が期待できることがわかり,また避難訓練にも活用できることが示された.このようにインターネット上にGIS情報を重ねてハザードマップを住民に提供する方法が開発できた.そして,避難のシミュレーションプログラムを活用できるようにすれば,避難の開始時刻や避難経路の選択の生存可能性に及ぼす影響を定量的に明らかにできて,住民に対する避難の啓発効果が大きいことがわかった.一方,巨大災害の減災の視点から,高潮,洪水,津波のいずれか2つが同時に生起する確率を無視できないことから,その作成方法を検討した結果,長時間にわたって継続する現象によってまず浸水域を与え,そこに短期間の現象の浸水を重ねるという方法が合理的な計算結果を示すことが見出された.前者が津波で後者が高潮に相当し,わが国で初めて両現象の同時生起のハザードマップを試作することができた.
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