研究課題/領域番号 |
15310137
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用ゲノム科学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
内田 和彦 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (90211078)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
2004年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2003年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | インターフェロン / IFNα / 遺伝子発現 / マイクロアレイ / シグナル伝達 / 遺伝子ネットワーク |
研究概要 |
[背景]最近インターフェロン(IFN)を始めとするいくつかの薬剤により肝細胞癌の縮小効果が認められているが、その増殖抑制機構については不明である。またIFNには患者によってその効果が大きく異なり、ウイルスの型だけではなく宿主やがんの性質によると推察されている。IFNのウイルス排除の個人個人による効果の違いがあると考えられているがその詳しいメカニズムはわかっていない。そこで本研究では肝癌細胞株を用いIFNαの肝細胞癌増殖抑制とシグナル伝達機構の変化およびその下流の遺伝子発現の解析を行った。 [方法]HepG2、Hep3B、PLC/PRF/5、HuH7の4種類の肝細胞癌細胞株を用い肝細胞癌株におけるIFNαの増殖抑制効果の差異の検討を以下の方法で行った。propidium iodineを用いたフローサイトメトリーを用いIFNαの細胞周期に対する影響の解析をした。またシグナル伝達経路としてJAK/STATならびにRaf/MEK/ERKのリン酸化を調べ、さらにその下流で変動する遺伝子の同定のために55,000プローブからなるマイクロアレイによる遺伝子発現の経時的変化を解析した。 [結果]IFN受容体の発現量の最も多いことがわかっているPLC/PRF/5を用いIFNαの肝癌細胞増殖抑制効果のメカニズムの検討を行い以下の結果を得た。マイクロアレイで解析をした54675遺伝子のうち、6ポイントすべてで発現している6250遺伝子を詳細に検討した結果、インターフェロン投与前に比べ6ポイントのいずれかで2倍以上もしくは1/2以下の変化を認めた1117遺伝子で増殖に関係する複数の遺伝子が明らかになった。またそれらの遺伝子発現を誘導するメカニズムとしてきわめて迅速に(IFNα処理後5分以内に)MEK/ERKのリン酸化が抑制され、その下流の遺伝子ネットワークが変化する可能性を初めて示した。
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