研究課題/領域番号 |
15310168
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地域研究
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
玉田 芳史 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教授 (90197567)
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研究分担者 |
片山 裕 神戸大学, 大学院・国際協力研究科, 教授 (10144403)
河原 祐馬 岡山大学, 法学部, 教授 (50234109)
木村 幹 神戸大学, 大学院・国際協力研究科, 教授 (50253290)
木之内 秀彦 鈴鹿国際大学, 国際学部, 教授 (00204941)
左右田 直規 東京外国語大学, 外国語学部, 講師 (30345318)
横山 豪志 筑紫女学園大学, 文学部, 講師 (80320381)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
2004年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2003年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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キーワード | 民主化 / 安定 / 地域研究 / アジア / 多国籍 / 政治学 / 政治的安定 / 選挙 |
研究概要 |
政治の民主化と安定が好ましいことは広く合意されている。しかしながら、両立は容易ではない。本研究は東・東南アジア地域諸国において、政治の民主化と安定はどういう条件が整えば両立可能なのかを解明することを目指した。 東・東南アジア地域には過去20年間に政治の民主化が進んだ国が多い。本研究では韓国、フィリピン、インドネシア、マレーシア、カンボジア、タイのアジア6カ国を取り上げた。この6カ国では2003年から2005年にかけて国政選挙が行われた。選挙にあたって政治が緊迫したのはこれらの国の政治が民主化してきた証拠である。それとともに、比較対象地域として同じ時期に民主化が進んだバルト諸国のエストニアを取り上げた。 両立のためには制度設計が重要なことはエストニアの事例がよく示している。エストニアは両立に成功した数少ない旧社会主義国の1つである。鍵になったのは、民主化の着手時にロシア系住民から市民権を剥奪したことであった。当初は国際社会から厳しい批判を招いたものの、結果としてはよい結果をもたらした。 アジアの場合、民主化と安定のバランスを保つことが難しい。タイでは1997年憲法で安定を重視した結果、民主的な手続きを軽視する指導者を生み出すことになった。ここでは、フィリピン、韓国、インドネシアともに国家指導者罷免の手続きが課題として浮上することになった。フィリピンやインドネシアでは独裁支配の忌まわしい記憶が残っているため、強い指導者の登場を助けるような制度設計には消極的である。また、手続き上の制度の不備あるいは不正利用のために、民主主義体制の正当性確立が容易ではない。 今後の研究課題として、制度よりもポピュリズムの手法に依拠して登場しつつある強い指導者について調べてみたいと計画している。
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