研究課題/領域番号 |
15310173
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地域研究
|
研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
押川 文子 国立民族学博物館, 地域研究企画交流センター, 教授 (30280605)
|
研究分担者 |
小杉 泰 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (50170254)
大塚 和夫 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (70142015)
栗本 英世 大阪大学, 大学院・人間科学研究科, 教授 (10192569)
黒木 英充 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教授 (20195580)
臼杵 陽 日本女子大学, 文学部, 教授 (40203525)
帯谷 知可 国立民族学博物館, 地域研究企画交流センター, 助教授 (30233612)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
15,400千円 (直接経費: 15,400千円)
2005年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
2004年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
2003年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
|
キーワード | 紛争 / 平和構築 / 暴力 / 地域研究 / 復興支援 / イスラーム / 緊急・復興支援 / グローバリゼーション / 復興開発 / NGO / 民族 / 宗教 / 国際研究者交流 / 多国籍 |
研究概要 |
本研究は、米ソ冷戦終焉後に頻発する地域紛争とその暴力化のメカニズム、そして紛争後の平和構築と開発復興について、(1)非国家主体による内戦型の紛争、(2)国内紛争と国際紛争の重層性、(3)国際機関や市民団体など紛争当事者以外の非国家的アクターの関与、の3点に注目し、地域研究の視点からの解明を目指したものである。この目的に即して、3年間の研究活動では、研究分担者が対象とする地域の紛争の具体的プロセスを上記の視点から再考し、その分析に基づいて、国内および国際紛争の連関や、紛争における国境をこえる非国家主体のあり方について、ワークショップやシンポジウムなど研究分担者外の専門家も含む場で検討し、議論の深化を試みた。 主要な成果は以下の通りである。 (1)それぞれの具体的な紛争について、国際的環境や多様なアクターの役割を重視することにより、従来の国家体国家、あるいは国家体反体制勢力といった図式を超える理解を得ることができた。その例は成果報告書の一部として、ルワンダを例に、旧宗主国との関連を重視して詳細に分析することによって「部族」紛争にあらたな知見を加えた武内論文、国内外の報道を付き合わせることにより「暴力」言説の生成過程に注目した帯谷論文、パレスティナ/イスラエル紛争を取り上げた臼杵論文、9.11がインドの文脈に移しかえられる過程を分析した押川論文などの形でまとめられた。 (2)上記の個別紛争を事例をもとに、比較の視点を加えた紛争へのアプローチを行った。2005年11月に実施したヨーロッパ社会におけるムスリムに関する国際ワークショップでは、受け入れ国の条件、国際的なイスラームの動きなど多様な要素を考慮しつつ、イギリスとフランスにおける「他者」排斥のメカニズムの共通性と相違を明らかにしたものである。 (3)市民団体や国際機関と紛争との関わり、また紛争後の復興開発や平和構築における役割についても報告書所収の山本論文など事例に即して検討し、今日の紛争がこれらの非当事者である非国家アクターの関与によって大きくかわりうることが論証された。
|