研究課題/領域番号 |
15310176
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ジェンダー
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
長沖 暁子 慶應義塾大学, 経済学部, 助教授 (80118984)
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研究分担者 |
清水 清美 東京医科歯科大学, 保健衛生学研究科, 助手 (70323673)
日下 和代 東京医科歯科大学, 保健衛生学研究科, 助手 (40302872)
柘植 あづみ 明治学院大学, 社会学部, 教授 (90179987)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2004年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2003年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | AID / 非配偶者間人工授精 / 出自を知る権利 / 生殖補助医療 / カウンセリング |
研究概要 |
AIDに関わった当事者の現状、意識を明らかにし、どのような法的、社会的、精神的ケアが必要かを検討するために、日本、オーストラリア、ドイツで、AIDで生まれた人、AIDで子どもを得た/得ようとしている人、精子提供者、医療関係者、計31名への聞き取り調査を行った。また、日本産科婦人科学会のAID実施登録施設への質問紙調査、オーストラリアの行政、医療機関への調査も行った。 国内のそれぞれの当事者とも情報が少なく、語れる場がなく、孤立し、さまざまな不安を抱えていた。まず、当事者への情報の提供、同じ問題を持ったものが語る場の必要だと考えられた。 海外と国内では、子どもにAIDで生まれたことを伝えるかどうかの親の態度には大きな差があり、この原因は法的、社会的な状況、告知に関する情報、支援制度、生まれた人の声を知っているかなどに差があることに派生していると考えられた。 AIDで生まれた人は出自がわからないことに不安を感じており、精子提供者の情報にアクセスできることが不可欠だと考えられる。生まれた人が出自を知る権利を行使するためには、その事実を親から知らなければならない。しかし、国内では親の意思で伝えられたケースはなかった。親がAIDに対して後ろめたさや、否定的な感情をもったまま子どもを得ており、その結果、夫婦や親子のコミュニケーションに問題を抱えたままであることが原因だと考えられ、AIDを選択するのであれば、自信を持って選択ができるような体制が必要だろう。また、精子提供者が子どもを持つことの意味、将来起こるであろう問題を考えた上で提供できるような体制も必要だと考えられた。 医療者のAIDに対する態度、患者への説明、施設ごとのシステムには大きな差があり、専門家が親、生まれた人や精子提供者など当事者の声を聞き、インフォームド・コンセントの徹底、医療の標準化に向けた努力をするべきだと考える。
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