研究課題/領域番号 |
15320018
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
美学・美術史
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
池田 忍 千葉大学, 大学院・人文社会科学研究科, 助教授 (90272286)
|
研究分担者 |
馬渕 明子 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (30114656)
小勝 禮子 栃木県立美術館, 特別研究員 (80370865)
天野 知香 お茶の水女子大学, 人間文化創成科学研究科, 助教授 (20282890)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
12,700千円 (直接経費: 12,700千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2005年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2004年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2003年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
|
キーワード | 美術史 / ジェンダー / 美術教育 / 女性美術家 / 展覧会 / 美術批評 / 表象 / 芸術 / 女性像 / 近代国民国家 |
研究概要 |
本研究の成果は、大別すると二つに二点に集約される。第一に、近代の視覚文化のさまざまな領域における女性表現者の活動、およびその造形作品に関する資料を収集し、整理・分析を進めた。その際には日本近代のみならず、日本が美術制度や表現を学んだ、19世紀後半から20世紀の欧米諸国、および20世紀前半において日本の植民地であった台湾・朝鮮の女性美術家に関する調査・研究をおこない、比較検討を進めた。第二に、収集した資料とその分析に基づく展覧会を企画し、実現した。また、展覧会と連動し、研究会のメンバーが参加する講演会やシンポジウムを開催し引研究成果を広く社会に還元した。 さらに4年間に及ぶ研究活動のまとめとして成果報告書を2007年3月に刊行した。そこに掲載した全15本の論文(研究ノートを含む)、および2005年に栃木県立美術館で小勝禮子氏が企画・開催した「前衛の女性1950-75」展の関連シンポジウムの記録を通じ、以下の事柄を明らかにすることができた。(1)19世紀半ばから今日にいたる女術家の表現活動には、「美術」の境界を揺るがすさまざまな実践があったこと。(2)女性による作品に対する「批評」や「評価」には、ジェンダー秩序が深く関与していること。(3)女性像に関しては、表現者や享受者のジェンダー、セクシュアリティとの関わりという視点が不可欠であり、また国家や地域が模索するアイデンティティの構築過程との相互作用を確認することができる。また、近代世界におけるグローバルな価値観の形成、帝国と植民地をめぐる権力関係の構築と駆動に、女性表象が用いられてきた様相が明らかになった。 以上、報告書所収の各論文を通じて提出された結論は、別紙に記載した過去4年間の分担者による論文においても明らかになった事柄である。
|