研究課題/領域番号 |
15320080
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
史学一般
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
佐藤 マサ子 日本大学, 国際関係学部, 教授 (20235394)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2004年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 職人歌合 / 文化史 / 比較史 / 日独 / 生産 / メンタリティー / アイデンティティー / Meistergesang(職匠歌) / 生産文化 / 比喩表現(Metapher) / アイデンテイテイー / 文化規範 / 比較社会文化史 / Meistergesang / Minnegesang / イメージ(史) / Intermedien / 文化比較 / 日本文化 / ドイツ文化 / 職人(Handwerk / Handwerker) / イメージ |
研究概要 |
『七十一番職人歌合』等の中世の職人・技術・商業活動の諸相を多面的に伝える日本の職人歌合を、同時代ドイツのMeister(ge)sang(職匠歌)と対照して、-(A)前代から継承した文化的規範の内容と継承の形態、(B)職人階層形成の社会経済的な背景-という二つの観点から「生産」の背景を成す「文化」の在り方について、主にメンタリティーやアイデンティティーの側面から比較史的に考察し、成果をドイツ語で発表してきた。日本中世の職人歌合は、王朝歌合様式に従い趣向を凝らした貴族の歌合であり、伝統的な表現形式の中に新興階層とその文化を「文学的素材」として包含して成立しているのに対し、職匠歌は新興階級自らが宮廷ミンネの伝統継承者に加わり、自身が歌作者層として伝統文化を踏襲して成立しており、そこに基本的相違点がある。他方両者は共に前時代迄に形成された固有の表象や連想体系の上に成立し、伝統規則に従った様式的作品であり、伝統文化と当代の技術社会の文化や職業意識を映し出し、伝統を次の時代に媒介した共通点を有している。両者共、継承した古典的伝統文化(文学)の表現内容や様式を脱構築的に変容させながら、構造変動著しい当代の社会を表現したが、書写や印刷等による古典書籍の受容がその基盤であった。日本の場合、宮廷社会解体の中で、公卿層が職人歌合を通して「生産や生業の表現様式」を先ず獲得し、次の時代には、新興階級に多メディア的に継承され、新興階級が自らを表現する規範的様式モデルとなって定着した。
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