研究課題/領域番号 |
15320118
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人文地理学
|
研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
吉田 容子 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (70265198)
|
研究分担者 |
大城 直樹 神戸大学, 文学部, 助教授 (00274407)
福田 珠己 大阪府立大学, 人間社会学部, 助教授 (80285311)
影山 穂波 椙山女学園大学, 国際コミュニケーション学部, 助教授 (00302993)
加藤 政洋 流通科学大学, 商学部, 助教授 (30330484)
吉田 道代 摂南大学, 外国語学部, 専任講師 (40368395)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
2005年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2004年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2003年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
|
キーワード | 空間 / 場所 / 権力 / 女性 / ジェンダー / フェミニスト分析 / 都市 / 沖縄 |
研究概要 |
本研究の基礎にあるのは、平成12〜14年度科学研究費補助金基盤研究(B)(1)「地理空間のジェンダー分析-フェミニスト的視角をめぐって-」(研究代表者:吉田容子、課題番号12480016)である。この研究では、ジェンダー概念やフェミニストの視角を地理学研究に採用し、空間がジェンダーという要因によっても絶えず生産・再生産され、空間がいかにジェンダー化されたものかを検証した。3年間の研究成果を踏まえ、本研究ではジェンダーとともに空間の生産・再生産に関わる諸要因(すなわち、権力の諸関係)をあぶり出すことを、目的とした。沖縄を研究対象とした理由は、「本土」とは異なる歴史性を有するため、ジェンダーをはじめとする権力の諸関係が、沖縄の都市空間に投影されていると考えたからである。 吉田(容)と加藤は、戦後復興期の沖縄の都市空間につくられた歓楽街を事例に、その形成に政治的権力が関与したことを、当時の新聞記事を言説資料として分析した。神田は戦前期の沖縄観光に着目し、男性観光客が抱くジェンダー化された心象地理が那覇辻遊廓に投影され、辻が観光空間と化したことを確認した。大城はハワイでの現地調査から、移住先ハワイにおける沖縄の人々のアイデンティティ構築について、人々の「場所」へのこだわりから考察した。福田は、沖縄戦の資料を展示する博物館で、個人の戦争の記憶が、集合的な記憶や地域の記憶としていかに「展示」されているかを指摘した。吉田(道)は、本土への出稼ぎシステムを明らかにし、沖縄を本土の外部労働市場に組み込もうとする権力の存在を読み取った。 戦前期の沖縄が本土から「他者」としてのまなざしを受けていたこと、また戦後復興期には、米軍との関係の中で「支配される」側に置かれ、女性の身体が米軍の搾取の対象となったことなどにかんがみれば、沖縄の地理空間にはジェンダー以外にも、いくつかの権力が複雑に絡み合って投影されている。本研究では、その一部ではあるが、実証することができた。
|