研究課題/領域番号 |
15320121
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化人類学・民俗学
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研究機関 | 大阪大学 (2005-2006) 熊本大学 (2003-2004) |
研究代表者 |
池田 光穂 大阪大学, コミュニケーションデザイン・センター, 教授 (40211718)
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研究分担者 |
奥野 克巳 桜美林大学, リベラレアーツ学群, 准教授 (50311246)
佐藤 純一 高知大学, 医学部, 教授 (70295377)
田口 宏昭 熊本大学, 文学部, 教授 (20040503)
慶田 勝彦 熊本大学, 文学部, 教授 (10195620)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
8,200千円 (直接経費: 8,200千円)
2006年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2005年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2004年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2003年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 文化人類学 / 社会学 / グローバリゼーション / 保健システム / 医療化 / 医療思想史 / 社会医学 / 医療・福祉 / 医療人類学 / 価値の多元化 / 近代医療 / 伝統医療 / 統治 / 価値の多元化状況 |
研究概要 |
本研究は、近現代社会のさまざまな政治経済的変動のもとで保健システムが変貌する様子を文化人類学(医療人類学)の観点から考察した。M・フーコーの〈統治性〉の概念を通してモデル化し、彼の構想した西欧の局所的な歴史モデル[仮説]から、非西洋を含む論理的展開モデル[過程]への改訂を「多元的医療化」モデルの提示を通して試みた。 グローバル化による価値の多様化の影響を最もつよく受けるのは、人々の固有の身体であり、ひいては人の生き方にほかならない。身体のあり方に介入し、また治療やケアを通して、人々の価値観や生き方に影響を与えるのは、医療や保健制度である。つまり、医療や保健制度に着目することが、グローバル化という現象のもとで起きている変化をもっとも適確にとらえる指標となる。 本研究から、個人(=主体)の健康への配慮(anatomo-politic)と人口統計や公衆衛生などの集団的管理技術(bio-politic)という異なる2つの社会管理の技法とその相互連関の様態についての問題が主題化された。多くの文化人類学が対象にするかつての植民地の社会-ポストコロニアル社会と総称される-や近現代史にみられる帝国医療の実施状況のもとでは、理想=西欧的な統治性のタイプに綻びが生じ、さまざま異型の医療と保健の実践が生まれていることが示唆された。 グローバル化が合理化や近代化を通して日常生活の場にもたらすものは、単一の変化ではなく、現地との対応のなかでうまれる動態的な文化的過程の結果であり「多元的医療化」の概念で明確に把握されることが明らかになった。
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