研究課題/領域番号 |
15330012
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
国際法学
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研究機関 | (財)世界人権問題研究センター |
研究代表者 |
上田 正昭 (財)世界人権問題研究センター, 理事長, 研究職 (90026708)
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研究分担者 |
安藤 仁介 同志社大学, 法学部, 教授 (20026777)
西井 正弘 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (60025161)
薬師寺 公夫 立命館大学, 法学部, 教授 (50144613)
坂元 茂樹 神戸大学, 大学院・法学研究科, 教授 (20117576)
田中 則夫 龍谷大学, 法科大学院, 教授 (40148391)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
12,900千円 (直接経費: 12,900千円)
2005年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2004年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
2003年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 国際人権法 / 国際人権規約B規約 / フォローアップ / 個人通報制度 / 報告書審査制度 / 規約人権委員会 / 国連人権条約 / 総括所見 / 規約人権委員会(自由権規約委員 / 規約人権委員会(自由権規約委員会) |
研究概要 |
自由権規約の実施機関である規約人権委員会は、第1選択議定書に基づく個人通報制度において、違反認定があった場合に委員会が示す「見解」で勧告する救済措置を、締約国がどのように実施しているかを90日以内に回答するよう締約国に求めるフォローアップ制度を1990年以降開始した。 研究では、第1選択議定書の締約国となっている105カ国のうちフォローアップの実績のある40カ国を抽出し、合計100を超える個人通報事例を取り上げ、各締約国における救済措置の実施状況を明らかにした。事件ごとに、事件の概要と争点、違反認定された規約の規定、委員会によって勧告された救済、締約国および通報者から受領したフォローアップ情報、特別報告者の見解と勧告の内容を示し、所見・評価を加えた。これにより、個人通報制度のフォローアップの全体像を把握することが可能となった。 さらに、自由権規約の実施状況に関する国家報告に対するフォローアップ制度についても検討を行った。フォローアップ回答を寄せた国の中から9カ国を抽出し、総括所見の内容と締約国の回答を対比しながら、国によって異なる勧告の履行状況の背景や要因を検討した。 研究の結果からは、問題となっている人権状況には、締約国の文化、宗教、社会構造に根ざした慣行が数多く含まれていることが判明した。1993年の世界人権会議で採択されたウィーン宣言は、第5項ですべての人権が普遍的であることを確認したが、同時に、「国家的及び地域的独自性の意義、並びに多様な歴史的、社会的、宗教的背景を考慮に入れなければならない」ことを確認した。本研究は、多文化社会における普遍的な人権の実現を模索するにあたっては、規範レベルの分析に止まらず、その規範を実現する社会の文化的多様性を視野に入れた分析が重要であることを明らかにするものである。
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