研究課題/領域番号 |
15330025
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
政治学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
伊藤 光利 神戸大学, 法学研究科, 教授 (00128646)
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研究分担者 |
網谷 龍介 神戸大学, 法学研究科, 教授 (40251433)
阪野 智一 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (10162299)
久保 文明 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (00126046)
玉田 芳史 京都大学, 大学院・アジアアフリカ地域研究研究科, 教授 (90197567)
曽我 謙悟 大阪大学, 大学院・法学研究科, 助教授 (60261947)
品田 裕 神戸大学, 法学研究科, 教授 (10226136)
久米 郁男 神戸大学, 法学研究科, 教授 (30195523)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
13,300千円 (直接経費: 13,300千円)
2005年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
2003年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
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キーワード | 執政府 / 政官関係 / リーダーシップ / リーダーシツプ |
研究概要 |
本研究は世界各国の「コア・エグゼクティヴ」の特徴を比較の枠組の中で明らかにすることを目的とした。コア・エグゼクティヴとは、たんに首相や大統領などの一人のリーダーではなく、英国で言えば、首相、内閣、内閣委員会、上級官僚などからなるいわば執政ネットワークのことである。 鹿毛論文は、多くの文献を渉猟しアメリカのみならず他の国を含めた最新の大統領制研究の到達点を批判的にまとめあげた。久保論文は、アメリカ大統領と他のアクターのわが国では十分に認識されなかった関係を興味深く明らかにした。阪野論文は、英国の政治システムの脱集権化におけるコア・エクゼクティヴの集権化という逆説を析出した。吉田論文は、フランスの国家主義的政体が多元的・開放的EUガヴァナンスとの不適合性ゆえに、むしろフランス政体が脆弱であるという逆説を浮き彫りにしている。曽我論文は、コア・エグゼクティヴ・ネットワークを「情報共有型」か「機能特化型」かという軸によって比較可能な操作化を行い、サーベイ調査データを基礎に近年の諸改革に生じた各省庁の変容を類型化した。伊藤論文は、制度、コンテキスト、戦略を重視するコア・エグゼクティヴの研究枠組により,選挙制度改革および中央省庁再編のインパクトが一定の帰結をもたらすメカニズムを説得的に明らかにし、玉田論文は、タイのコア・エグゼクティヴを分析し、興味深いことに少なくとも現象的に日本とタイのコア・エグゼクティヴ政治の類似性を明らかにしている。 これらの研究から得られる観察としては,一方で世界各国の政治は多元化の傾向が見られるのに対して,他方では各国は固有の歴史、制度、およびダイナミズムを示しながらも,コア・エグゼクティヴの集権化という興味深い逆説が指摘できることである。今後は、この共通の傾向をもたらす要因(独立変数)の探求と,この一般的傾向と各国固有の特徴の相互作用を分析していくことが有意義な課題となると思われる。
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