配分額 *注記 |
4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2004年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
研究概要 |
本研究において,我々は財政社会学のアプローチに基づいて,租税政策をめぐる政策過程の国際的な比較分析を行った。我々は,日本及び比較対象国における国税・地方税の歴史と現状、政策過程の特徴及び政府間財政関係に関するインタビュー・文献資料収集に基づく分析及び研究発表・討論を積み重ねて雑誌論文・図書を発表し,それらを最終的な研究成果報告書にまとめた。具体的には,(1)研究全体の総論として,財政社会学的租税分析における規定要因と決定要因について方法論的に整理した(神野直彦)。(2)アメリカで2001年以降行われている減税政策の決定要因と影響を政治経済学的に解明した(A.デウィット)。(3)日本における租税政策の特徴を,利害関係者間の対立構造,制度装置の特質といった政治的側面から分析した(A.デウィット)。(4)日本とカナダにおける政府間税源配分及び課税自主権に焦点を当て,とくに一般売上税を事例として,両国の租税政策過程を中心に比較分析し,両国の税制及び政府間財政関係の実態及びその歴史的背景・制度的特質を解明した(池上岳彦)。(5)アメリカとカナダについて,政府規模と租税構造,「財政連邦主義」の実態等を比較検討し,両国の租税政策が相違する原因を,国民の政府に対する評価,歴史的背景及び政治制度的要因に遡って解明した(池上岳彦=A.デウィット)。(6)日本とドイツの租税・社会保険料について,介護保険制度を事例として比較分析し,ドイツでは「協調的連邦制」及び「補完性原理」が確立しているものの,日本にはそれらが根付いていないことが制度の相違を生む決定的要因であることを解明した(佐々木伯朗)。(7)スウェーデン,ドイツ,アメリカ及び日本の租税政策を比較検討し,「グローバリゼーション」の掛け声とは裏腹に,先進国の財政規模及び税制は多様であり,単一モデルに収斂しないことを実証した(S.スタインモ)。
|