研究課題/領域番号 |
15330087
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
商学
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
米山 高生 一橋大学, 大学院・商学研究科, 教授 (00175019)
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研究分担者 |
下和田 功 帝京大学, 経済学部, 教授 (10034860)
松井 剛 一橋大学, 大学院・商学研究科, 助教授 (70323912)
安田 豊 京都産業大学, 理学部, 講師 (30283899)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
15,300千円 (直接経費: 15,300千円)
2005年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2003年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
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キーワード | ビジネスモデル / 保険 / インターネット販売 / インターネット実験 / 流通システム / 販売チャネル / インターネット / 保険募集 / リスク細分化保険 / 医療保険 |
研究概要 |
保険のインターネット販売に関するビジネスモデルの構築のためには、実際に保険商品をインターネット上で販売するシステムを作り、そこでの実験を行う必要がある。 保険は規制商品であるので、保険会社の全面的な協力がなければ販売できない。幸いにも、共栄火災の協力を得て、女性向け医療保険商品を募集するネットワーク実験ができた。ただし募集から契約までのネットワーク完結型を稼動させることはできず、契約締結については代理店を経由する代理店支援型のシステムとなった。しかしアクセス数が伸びなかった。有力代理店のメルマガにサイトの紹介をするなどアクセス数の増大に努力したが、結果的に期待するだけのアクセスログを得られなかった。 不十分なアクセス数であったが、顧客の探索行動の事例を得た。最近の保険会社の事情を考慮すると、今後このような産学連携実験を行うことは難しいので、研究用に各社からログを提供してもらうことに努め、今回の探索行動パタンの研究を深めたい。 ログ解析に加えて、プロジェクトの過程で保険のネットワーク販売を阻む要因に関するいくつかの仮説を見出した。要約すれば、既存の募集チャネルとネットワークチャネルの並存が難しいこと、および保険商品が持つ本来の性質の一部が阻害要因となっていることである。後者は、プロジェクトを実施してみて初めて深く理解できた重要な知見である。保険契約は情報の束のフローと考えることができるので、その意味ではビットの世界に適合的な商品である。にもかかわらず被保険者の同意、アンダーライティング、事故査定などにおいて、情報の非対称性から生じる問題を解決するためには、アトムの世界が必須である。そこでビットの世界だけで解決できるようなシンプルな保険商品に絞って行けば、保険募集のコスト構造を変革し、航空業界、旅行業界のような急激な変化を導く可能性があるという結論を得た。
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