研究課題/領域番号 |
15330103
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 大阪樟蔭女子大学 (2004-2005) 大阪市立大学 (2003) |
研究代表者 |
森田 洋司 大阪樟蔭女子大学, 人間科学部, 教授 (80086181)
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研究分担者 |
鈴木 洋昭 大阪樟蔭女子大学, 人間科学部, 教授 (90148198)
島 和博 大阪市立大学, 大学院・創造都市研究科, 教授 (50235602)
鎌倉 健 大阪樟蔭女子大学, 人間科学部, 助教授 (30340631)
竹村 一夫 大阪樟蔭女子大学, 人間科学部, 助教授 (60243416)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
13,900千円 (直接経費: 13,900千円)
2005年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2004年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2003年度: 7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
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キーワード | 中小零細企業 / 地域再生 / 都市の社会問題 / 人材育成 / 創造都市 / 産業集積 / 社会的包摂 / 私事化 / 都市における共生関係 / ユニバーサル・デザイン |
研究概要 |
本研究(「大阪地域における中小企業問題と地域再生に関する研究」)は、大阪地域(大阪市および中小零細企業が集中する周辺市町村)における中小零細企業が直面しているさまざまの困難な問題状況を把握・分析し、そうした中小零細企業の状況が当該地域社会にどのような社会的影響を及ぼしているのかということを多方面から総合的に分析し、さらにはそうした問題状況を克服し、地域社会の再生をはかるためには、いかなる社会的・経済的条件が整えられるべきかという実践的課題にこたえることを目的とした研究である。 3年間にわたる小零細製造業事業所の集積地の実態調査によって明らかになったことは、まずなによりも、これらの地域が抱えている困難がもはや単に「産業衰退」という「経済的」問題としてのみ把握されるべきものではない、という事実である。製造業の衰退という現実の背後には、都市の社会構造そのものの変動、高齢化、都市環境問題の深刻化、等々の「経済外的」諸要因が潜んでいることが明らかにされたのである。それゆえ、この問題状況の解決のためには、産業政策による経済的諸資源の投入だけでは決定的に不十分であり、むしろそれ以上に、人々の地域における社会的諸関係のあり方そのものの変革をも視野に入れた、「新たな地域社会」のトータルな構想が必要不可欠であるということが明らかとなったのである。 こうした視点から、本研究では、ヨーロッパ(とりわけイタリア)におけるさまざまな「街づくり」や「地域再生」の試みを調査・研究した。その結果、産業衰退地域の「再生」のためには、地域社会に潜在する多様な「社会的資源」の掘り起こしと、その再組織化が必要かつ有効であることを見出した。また、このような地域再生のためのプロジェクトを推進するためには、地域における人々の新たな「結びつき方(アソシエーション)」を構築することが重要であるという知見をも得た。すなわち、市民の多様な「非営利」的あるいは「非市場」的な協働と互助のネットワークを構築することによって、地域の再生を目指すという視点である。 今後は、これらの知見を日本における、とりわけ産業衰退地域における、地域再生の試みの中に具体化していく作業へと繋げていく予定である。
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