研究課題/領域番号 |
15330122
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会福祉学
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研究機関 | 日本社会事業大学 |
研究代表者 |
阿部 實 日本社会事業大学, 社会福祉学部, 教授 (00105032)
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研究分担者 |
寺谷 隆子 日本社会事業大学, 教授 (80307975)
後藤 隆 日本社会事業大学, 助教授 (30205603)
村上 文司 釧路公立大学, 経済学部, 教授 (40210017)
圷 洋一 日本女子大学, 人間社会学部, 講師 (50331054)
金子 充 立正大学, 社会福祉学部, 講師 (30366950)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
2005年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2004年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2003年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 貧困 / 社会的排除 / 公的扶助政策 / 国際比較研究 / 貧困研究 / 現代的貧困 / 国際比較 |
研究概要 |
貧困は、公的扶助政策における最も緊急性の高い問題のひとつである。しかしながら、貧困をめぐる概念規定やその意味内容は混乱しており、経験的事実としての貧困は多種多様である。現代社会においては、いかなる単一の貧困概念も存在していないにもかかわらず、日本における福祉研究や公的扶助政策の主要な課題は、古典的で支配的な貧困の概念化の影響を強く受けているのが現状である。現代的貧困問題理解するうえで重要な概念として、イギリスやフランス等のEU諸国では、「社会的排除」や「アンダークラス」といた概念が提唱されている。社会的排除という概念は、無力感や人間とての尊厳の欠所といった貧困の側面を強調している。すなわち、物質的貧困と同様に社会、文化的な次元の貧困をも問題とする。社会的排除という概念による広範な貧困に関する理解は、貧困とケイパビリティ、社会的分断や市民権といった他の概念と結合させて検討することの重要性を認識させるようになった。今日、日本における福祉研究や公的扶助政策研究は、社会的排除といった形で、より広範な貧困に関する理解を深める必要性がある。 多くの福祉国家において、公的扶助政策を構築してきた社会・政治的条件が激変してきている。公的扶助政策の再構築は、いわゆる社会的排除という新たな社会問題に適切に対応できるものでなければならない。社会的排除に即応する形で、福祉国家においていくつかの政策を革新した。例えば、アメリカ連邦政府はAFDCをTANFに、イギリス政府は福祉から就労へというスローガンを採用した。EUは、積極的ソーシャルポリシーをワークフェア施策において重要視するようになった。このような新たなソーシャルポリシーの目指すところは、社会的に排除された市民を社会的に包含していくことである。 本研究は、このような公的扶助政策をめぐる課題や動向を考察したものであり、公的扶助政策と就労支援の関係等の問題についても検討を加えている。
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